フリーランスのマーケットプレイスのFiverrはギグエコノミーと密接に関わる存在となった。しかしCEOのMicha Kaufman(ミカ・カウフマン)氏は「すべてのギグエコノミー企業が平等につくられているわけではない」と主張する。
Fiverrがニューヨーク証券取引所にデビューした昨日の午後に私はカウフマン氏と話した。Fiverrの株価はその日、IPO価格を90%上回った。
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Fiverrのフリーランサーのコミュニティについての話しの中で、私はUberのIPO前にあったドライバーによるストライキの例を挙げて、いかにフリーランサーたちがFiverrの上場で恩恵を受けられるようにするのかカウフマン氏に尋ねた。それについて彼は「Fiverrセラーは往々にして非常に高い技術を持っていて、彼らが仕事の契約や支払いを決める」と指摘した。
そして「これが、ギグエコノミーと呼ばれている他のプラットフォームと異なる点だ」と話した。この構造では、例えば、サンフランシスコに住んでいるフリーランスデザイナーは、より安く仕事を引き受ける世界のどこかにいる誰かの価格についてさほど心配しなくてもいいことになる。
「入札にかけるマーケットでは必ず売り圧力がある。しかしフリーランサーが自らの専門範囲やタイミング、価格を決めるマーケットでは逆の動きがみられる。実際、我々のプラットフォームでは世界中のフリーランサーが毎年、たくさん稼ぐようになっている。それは反直感的で、むしろ反循環的なレースだ」と彼は語った。
さらに具体的にみてみよう。FiverrのS-1書類には個人セラーの収入について取り上げられておらず、プラットフォーム上での取引総額が2017年に2億1300万ドルだったのが2018年には2億9350万ドルに増え、2019年第1四半期末時点のアクティブセラーは25万5000人と示されている。
S-1ではまた、2018年の売上高は7550万ドルで、損失が3610万ドルだったことも報告されている。しかしカウフマン氏は、損失が縮小していると指摘し「我々は順調に黒字化に向かいつつある。その黒字を維持したい。そのために、成長にフォーカスしつつ、長期的に収益をあげられる事業を構築する」と語った。
また彼は、ウォールストリートの投資家たちに好感を与えた要素の一つが、Fiverrが従来の雇用サイトとは異なり、必要なサービスをブラウズしたり購入したりできるEtsyやAmazonのようなeコマース事業に類似しているという事実だ、と示唆した。
上場が会社にどう影響を与えるかについては、カウフマン氏は「より多くの得意先を抱えること」を意味する、と語った。しかし「上場により事業のカルチャーや我々のフォーカスが変わるとは思っていない。我々が作り出そうとしているのはデジタルサービスのためのエブリシングストアだ」と話した。
カウフマン氏は地理的に拡大する余地が特に英語を母国語としない国であり、新たな仕事のカテゴリーを加える余地もあると考えている。「フリーランサーの多くがオフィスチャネルを通じて仕事を得ている状況を変えたい」と語った。
「Fiverr上でサービスをオーダーするのにかかる時間は平均15分だ。どうして他のやり方でより時間をかける必要があるだろう」。
イメージクレジット: Fiverr
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(翻訳:Mizoguchi)