KDDI、最新の映像符号化方式H.266|VVC対応リアルタイムコーデックを用いた4Kおよび60fpsの映像伝送に成功

KDDI、最新の映像符号化方式H.266|VVC対応リアルタイムコーデックを用いた4Kおよび60fpsの映像伝送に成功

KDDI総合研究所は12月23日、今もっとも新しい映像符号化方式の国際標準であるH.266|VVCに対応したリアルタイムコーデックシステムを使った、12Mbps、60fpsでの4K映像の伝送実験を成功させた。現行のビットレートの半分以下のビットレートに圧縮しても、安定した映像品質が維持できることが確認されたという。現在の4K放送は60fpsというフレームレートで行われているが、このシステムでは、それに匹敵する映像の伝送も可能であることがわかった。

VVCは、2020年7月に国際標準化機関であるITU-TとISO/IECによって規格化されたばかりの技術。総務省は、地上デジタルテレビジョン放送高度化のための映像符号化方式のひとつとして採用を検討している。現在、インターネットの動画配信で広く使われているH.265|HEVCの2倍の映像圧縮性能があり、低いビットレートでも高画質が楽しめるようになる。また60fpsというフレームレートが実現するため、スポーツ番組のような高速なシーンの再現性も高くなる。

今回の実証実験では、2021年12月21日、大阪の関西テレビ放送から東京のKDDI research atelierへネットワーク回線を経由して映像を伝送した。そこで、ビットレート12Mbps、フレームレート60fpsでの4K映像伝送に成功。ここでは、高速化処理と並列化処理の改善を施したマルチコアCPUプラットフォーム上でVVCエコーダーを実現し、さらに入力映像に応じた適切な分割サイズと形状を、フレームレートを含む入力映像の事前解析で決定し、符号化処理を最適な1種類のみで完了させるという工夫が加えられた。

実験に協力した関西テレビ放送放送推進部の並川巌氏は、なめらかな動きが再現され、4K解像感とともに被写体がより自然な動きになっていると評している。さらに「とくに動きの良さがわかりやすい映像素材を提供しており、60fpsならではの顕著な効果」があったとも話している。今後は8Kも含めた、120fpsなどの高いフレームレートの映像への対応を視野に、処理速度の改善を進めるとのことだ。

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TechCrunch Japan

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