Kickstarterの2014年の成績: 資金提供申し出総額$529Mが330万人から、目標到達プロジェクトは22000件

クラウドファンディングプラットホームKickstarterが昨日(米国時間1/5)、2014年の業容明細を発表した。それによると、支援者総数は330万人、資金提供(寄付)申出額は5億2900万ドルとなった。ただし、Kickstarter上の資金募集キャンペーンが成功して実際に支払われた金額はこれより少なく、4億4400万ドルだった。これら、(仮称)‘成功額’の累計は、同サイトの立ち上げ以降今日までの約5年間で12億7000ドルになる。同社によると、累計額が10億の大台に達したのは2014年であり、この年だけでほぼその半分を稼いだことになる。

カテゴリー別ではテクノロジ分野がトップで、総申出額の23.6%1億2500万ドルを占めた。人びとは、科学的発明品にいちばん魅力を感じるようだ。ただし成功件数ではテクノロジのプロジェクトは1124と比較的少ない。成功件数のトップは音楽の4009件、次いで映画とビデオ3846件、出版2064件となっている。

2014年からKickstarterはプロジェクトの事前審査をやめたため、どんなに突拍子もないアイデアでもここで資金募集ができることになり、プロジェクトの件数が一挙に増えた。ついにポテトサラダまで登場したので、この年をポテトサラダの年と呼んで記念する人びともいる。ただし、Kickstarterによると、事前審査はなくても、申請をふるいにかけるためのルールはあるので、そのふるいにひっかかって、同サイトに載ることなく落とされたプロジェクトもいくつかある。

しかし問題は、Kickstarter上で資金募集に成功したプロジェクトの何割が、完成した製品を支援者たちの手に渡すことができたか、だ。この、(仮称)‘プロダクト成功率’をKickstarterは発表していない。だから私が尋ねられたとしても、答えは¯_(ツ)_/¯しかない。

2014年にKickstarterで資金募集に成功したプロジェクトは22253件で、2013年の19911件に比べて微増だ。支援者総数も、300万から330万へと微増だった。ただし、その330万のうち大多数の220万あまりが、生まれて初めてクラウドファンディングでプロジェクトを支援する人びとだった。残る100万強が経験者だから、‘リピーター’は、それほど多くない、とも言える。

ただしクラウドファンディングは、このところ新しいサイトが増えているから、競争激化の環境の中では、最大人気のKickstarterでも、大幅な成長は難しくなっているのだ。

Kickstarterの2013年の業容明細では、上述のように、資金提供申出者数が300万で、申出額総額が4億8000万ドルだった(プロジェクトの資金募集成功件数は20000弱)。2012年の数字もあるが、この年は申出者数224万、申出額総額が3億2000万ドル、資金募集に成功したプロジェクトの件数が18109だった。そして2011年には、支援者数100万、申出額総額1億ドル弱だった。

2014年の、330万人の資金提供申出者からの総額5億2900万ドルの申出額総額のうち、220万人3億3550万ドルがアメリカ人だった。次位はイギリス人で、26万人/3906万ドル、三位がカナダ人で17万人/2765万ドル、四位はオーストラリア人の99000人弱/1983万ドルだった。

2014年には、資金提供申出者がいちばん多く殺到する時間帯は水曜日の午後だった。月別では、資金募集成功プロジェクトがいちばん多い月は8月で、2311件のプロジェクトが目標額に達した。これに対し、最低の(誰もが予想する!)1月には、成功プロジェクトがわずか1242件だった。

2014年で支援者数がもっとも多かったプロジェクトは、子供番組Reading Rainbowの再放送で10万6000人、次が相当アホらしいビール用クーラーの63000名だった。テクノロジ分野では、スマートフォンで操縦する紙飛行機(21000名)や、睡眠適性診断器Sense(19000名)に、多くの支援者が集まった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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