数十億ドル(数千億円)規模のマルチストラテジー投資会社であるKKRは、Rob Salvagno(ロブ・サルバニョ)氏を米国のテクノロジーグロースエクイティ部門の共同責任者に任命し、テクノロジー分野の投資活動を強化する。同社がテクノロジー分野に真剣に取り組み、引き続き新しい買収と投資の機会を探しているサインだ。
ネットワーク大手であるCisco(シスコ)の事業開発副社長兼Cisco Investmentsのヘッドだったサルバニョ氏は、CiscoのすべてのM&Aとベンチャーキャピタル投資の責任者だった。同氏は20年以上のキャリアの中で、アーリーステージを対象とした数億ドル(数百億円)規模のCiscoの投資ファンド、Decibelの設立と立ち上げに関わった。
「我々のビジネスは、5年前に5人の小さなチームでテクノロジーグロースエクイティストラテジーを始め、以来大きく進化している。我々のビジネスの成長と世界中にある数々の魅力的な投資機会により、チームを拡大するだけでなく、テクノロジー分野の経験、ネットワーク、地理的範囲も拡大することができた」とKKRのパートナーでテクノロジーグロースエクイティの責任者であるDave Welsh(デイブ・ウェルシュ)氏は声明で述べた。「我々のチームにサルバニョ氏のようなテック業界のベテランが加わることで、我々は将来に向けて基盤を固め、多くの投資機会を捉えるために良いポジションを確保できる」。
KKRは2014年以降、27億ドル(約3000億円)をテック企業に投資した。19人の投資専門家を擁し、レイターステージのテック企業への投資プレーヤーとしての地位を確立した。今月初め、同社は北米、欧州、イスラエルへのグローステクノロジー投資に特化した22億ドル(約2400億円)のファンドの資金調達を完了した。
「サルバニョ氏が持つ、セキュリティ、インフラストラクチャソフトウェア、 AppDev(アプリ開発)やDevOps(ソフトウェア開発)といった幅広いバックグラウンドは、我々のチームのスキルセットをうまく補完すると考えている」とウェルシュ氏はメールで述べた。「今回のファンドの重点分野は、以前のファンドと同様、消費者インターネット、フィンテック、インシュアテック、テクノロジーを活用したサービスなどに関わるソフトウェアだ」。
同氏によると、アプリケーション開発ソフトウェアとセキュリティ技術も引き続き同社の重点分野となる。 「さらに、インフラストラクチャソフトウェア(最新のデータセンターやクラウド環境の運用に使用されるソフトウェア)、アプリケーション開発および開発オペレーション(AppDevvおよびdDevOpsソリューション)などのソフトウェアソリューションに費やす時間を増やす」と同氏はメールで述べた。
画像クレジット:Image Credits: Bryce Durbin / TechCrunch
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(翻訳:Mizoguchi)