Laurene Powell Jobsが創設した社会活動団体Emerson Collectiveが、その活動の一環として、今年で創刊160年になる名門誌The Atlanticの過半数の株式を買い入れることで合意した。
The Atlanticの会長David Bradleyはスタッフ宛のメモで、家族に後継の意思がないために買い手を探していた、と述べている。(Emerson CollectiveとBradleyの両方が支援している高級ネット誌Axiosは、そのメモを入手した。)
今年64歳のBradleyは今後も、彼より100歳近くも年上の雑誌の、株の多くを保有し続けるが、3-5年後にはそれをEmersonに売ることも“ありえる”という。QuartzなどAtlantic Mediaのそのほかの保有資産は、彼が完全なオーナーであり続ける。
The New York TimesのメディアエディターだったPeter Lattmanが、新たにThe Atlanticの副会長になる。それ以外では、同誌の首脳部に変化はないようだ。
Emerson Collectiveが掲げる同団体のメインのミッションは、“教育、移民制度の改正、環境、そのほかの社会正義活動”、となっている。しかしそれだけでなく、Udacityなど、いくつかのテクノロジー/メディアスタートアップも支援している。
テクノロジー業界のビッグネームが高名な老舗メディア企業を買うのは、Powell Jobs(AppleのSteve Jobsの寡婦)が初めてではない。New RepublicはFacebookの協同ファウンダーChris Hughesに買われて波乱を経験したし、AmazonのJeff Bezosは2013年にThe Washington Postを買った。
Bradleyはそのメモの最後の部分で、Powell Jobsのシリコンバレーとの関係に触れている: “私が最初からLaureneに好感を抱(いだ)いたのは、彼女への信任が、われわれ〔イーストコースト〕とは異なる沿岸地域〔ウェストコースト〕で形成されているからだった。彼女の志(こころざし)は、単なるメディア人である私より大きい。だから、これからの私たちの仕事を通じて、われわれの時代の叡智が間違いであったことを、実証していこうではないか”。