iDEAKITTは本日、チャット形式のコンテンツを作成して共有するプラットフォーム「ChatCast」のベータ版のローンチを発表した。また、調達額は非公開だが、デジタルガレージから資金調達を実施した。今回新サービスのChatCastついてiDEAKITTのCEO、藤田遼平氏に話を聞いた。
iDEAKITTは2013年に創業し、文章コンテンツを作成して共有するプラットフォームの「LifeCLIPS」を運営している。LifeCLIPSは文章のみのコンテンツに限定しているが、藤田氏は従来の1人の書き手が発信するコンテンツ以外にも面白いコンテンツのあり方を模索していたという。そして、着目したのが対話型のコンテンツだったそうだ。「対談記事は人気がありますし、SNSでもLINEのチャット画面のスクリーンショットを多く見かけるようになりました」と藤田氏は言う。海外でも著名人が1時間ほどユーザーからの質問に答える「Ask Me Anything(何でも聞いて)」というセッションが掲示板サイトのRedditやTwitter、Facebookなどで行われていて、チャット型のコンテンツに注目が集まっていると話す。
ただ、対談型のコンテンツを作成するには、対談を行い、音声を書き起こして編集しなければならず、手間が多くかかった。その問題を解決するために、最初から対談をチャットで行い、それを編集してコンテンツの形を整えることができるChatCastのアイディアを固めていったという。
ChatCastの使い方はとてもシンプルだ。URLを決めて新規ページを作成する。このページはそのままチャットルームになる。対談相手にURLを共有し、参加者がそれぞれの表示名を入力して設定は完了だ。そのまま通常のチャットルームのようにインタビューや座談会を行うことができる。画像や動画ファイルも投稿可能だ。チャットが終わった後は、重複する会話内容や誤字脱字を修正したり、タイトルや説明文などを加えたりなどの編集をして、プラットフォームに公開することができる。
ChatCastはラジオ番組やポッドキャストのようにテーマを設けたチャンネルを作ることができる。記事を番組に見立てて、チャンネル内で連載していくイメージだ。このチャンネルのテーマはアイディア次第であり、例えば、女子大生がお茶をしながら話す気軽な内容でも、スタートアップ業界なら投資家と起業家との対談番組や著名人へのインタビューも良いかもしれないと藤田氏は話す。また、イベントのプロモーションの一環としての活用方法もあるだろうと藤田氏は言う。イベント専用のチャンネルを設置し、開催前から登壇者を紹介したり、イベントの運営者側の考えを参加者と共有したりと幅広く利用できると説明する。「音楽イベントに参加する前にアーティストの音楽を予習する人は多くいます。他のイベントでも事前に情報発信をすることで参加者のエンゲージメントを高めることができると思います」と藤田氏は言う。
藤田氏は、Open Network Labのインキュベーションプログラム「Seed Accelerator Program」の第10期に参加している。デジタルガレージからの出資はすでに互いに信頼関係があること、そして彼らの海外拠点を介して将来的には海外展開も目指せることが理由だと話す。
今回の資金調達では、ChatCastの機能拡充を進める予定だという。今後、他のユーザーが対談をリアルタイムで閲覧したり、質問したりできる機能や特定のユーザーだけが番組を見ることができる機能を追加するそうだ。また、ChatCastを使ってコンテンツを作成したいと考える個人や法人にリーチしていくという。
チャットはコミュニケーション手段として広く普及したが、今後は国内、そして海外でも、チャットは面白いコンテンツにもなることを伝えたいという。「会話コンテンツから新しいアクションが生まれるようにしたい」と藤田氏は話す。