クラウドファンディングプロジェクト(特にハードウェア)の結果は予測しづらいということもあって、TechCrunchではKickstarterのキャンペーンを扱うことはあまりない。しかしLomographyの新しいインスタントカメラは紹介せずにはいられない。私は直近のAutomatというプロジェクトでも同社を支援し、製品は大変満足のいくものだった。Squareと呼ばれる今回のカメラもAutomatと同じくらい楽しそうで、しかも新しいカメラではAutomatよりも大きなフォーマットで写真が撮れるという話だ。
Squareのレンズ部分は蛇腹式で折りたためるようになっており、Polaroid SX-70と似た雰囲気を持っている。折りたたみ式のデザインでなければ、カメラのサイズはかなり大きくなっていただろう。小型化がテーマだったAutomatでは、本体をできるだけ小さくするためにInstax Miniが採用された。MiniはMiniで使っていくうちにいいなと思えるようになったが、やはりフィルムはもう少し大きくてもいいなというのが正直なところだった。一方SquareではInstax Squareが採用されているため、カメラ自体もAutomatより大きくならざるを得なかった。
しかしLomographyは蛇腹式のレンズを採用することで、Squareの巨大化をうまく防いだのだ(しかも蛇腹は強化ゴムで作られているので破損の心配はいらないとのこと)。Automatはカメラ自体のつくりもよかった(数年前に購入したLomographyのDiana F+とインスタントバックよりもよっぽどよい)ので、Squareにも大いに期待している。
AutomatやSquareは使うのも楽しく、実物を見れば誰もが欲しくなるようなカメラだ(経験上これは誇張ではない)。といっても、インスタントカメラで何を撮るのかといえば、昔も今も変わらず何か馬鹿げたことをやっている自分たちの様子なのだろう。
フィルムカメラを触ったことがないという人も心配無用。ゾーンフォーカス(近く、中間、遠くといった感じで被写体との距離に合わせてフォーカスする方法)の基礎さえつかめば、すぐに写真を撮りにいける。多重露光やリモートシャッターといった機能も搭載されているが、私は99%ベーシックなスナップ機能しか使っていない。写真自体はどこかかわいらしい落ち着いた色をしているが、プライマリーカラーは浮き出るような発色具合だ。
ひとつだけ言えるのは、Instax SquareがInstax Miniよりもかなり高いということだ。Amazonを見てみると、Instax Squareのカートリッジ(10枚入り)は14ドルもするが、Instax Miniならツインパック(20枚入入り)でもSquareより安く、まとめ買いするとさらにその価格差は広がる。さらにInstax Miniはさまざまなところで売られているが、Instax Squareを取り扱っているお店はあまりない。なので、フィルムにはある程度お金がかかると予め心の準備をして、セール時にはまとめ買いするようにしよう。
このプロジェクトには、既に目標額の2倍の資金が集まっているため、カメラが作られないという心配はない。価格的にはアーリーバードが129ドル、その後に続く通常のプレオーダー価格が149ドルと179ドルに設定されており、最終的な小売価格は200ドル前後になるようなので、購入に悩んでいる人はタイミングも考えた方がよさそうだ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake)