Mesosphereがベータを脱して一般公開へ、無料利用もありだが当面AWS上のみ

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Mesosphereが2013年の創業以来構築してきた、コンテナ技術をベースとするDatacenter Operating System(DCOS)が、今日(米国時間6/10)から一般的に可利用になる。すなわち今日からこのデータセンターオペレーティングシステムは、無料でパブリックでクラウドのみのコミュニティエディションと、有料のエンタプライズライセンスという2種類の提供形式となり、とくにエンタプライズユーザは、自分がソフトウェアをその上で動かしたいと願うどんなプラットホームでも、DCOSを使えるようになる。

DCOSがユーザ企業に提供する基本的なコンセプトは、データセンターやパブリッククラウドのデプロイメントがどれだけ多くのサーバやクラスタから構成されていても、それらを、まるでたった一台のコンピュータであるかのように操作し管理しコントロールできる、という考え方だ。そしてそれによって、リソースの利用効率を最大化する。

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エンタプライズエディションとコミュニティエディションは同じ技術をベースにしているが、前者の有料プランでは24/7の技術サポートが受けられ、またセキュリティとポリシー管理が強化される。また有料プランではMesosphereを、パブリッククラウドだけでなく、企業のプライベートクラウド(OpenStackなど)やハイブリッドクラウドでも利用できる。同社によると、Mesosphereのエンタプライズエディションのベータには3800社あまりのユーザ企業が登録している。

“最近ではデータセンターにおけるアプリケーションのデプロイメントが複雑化しているため、どうしても、データセンターオペレーティングシステムと呼べるような新しいタイプのオペレーティングシステムが必要になっている。今の企業が求めているのは、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドと多様に分散している大規模な分散システムを統一的にデプロイし管理するための、フレキシブルでスケーラブルな方法だ”、とMesosphereの協同ファウンダでCEOのFlorian Leibertは語る。“これ(DCOS)は、TwitterやYelp、Groupon、AppleのSiriなど動かしているインフラストラクチャと同じコアテクノロジだ”。

なお、今Mesosphereが提供する一般的な可利用性(上記2タイプ)は、利用環境がAmazonのクラウドコンピューティングプラットホームに限定される。Microsoft AzureとGoogleのCompute Engineの上では、公式にはまだベータだ。デベロッパは無料のエディションを使ってSparkやHadoopなどの複雑なプロダクトのスケーラブルなインストールを素早くセットアップでき、同じクラスタの上で並行的に動かすことができる。

Mesosphereの今回のローンチの参照顧客はYelpだ。同社はOpenStackなどの技術を使ってハイブリッドクラウドをセットアップすることを考えたが、最終的にはDockerを主役に据えているMesosphereに落ち着いた。そしてMesosphereのクラスタを、本番並の稼働状態にもっていくために、三ヶ月を要したという。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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