MicrosoftがHoloLensによるホログラフコンピューティングの応用技術を求めて研究プロジェクトを公募

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Microsoftが月曜日(米国時間7/6)に、同社のHoloLensテクノロジの応用技術の振興を図るための学術研究事業を立ち上げた。その目的は、“ホログラフコンピューティングの社会における役割とアプリケーションの可能性を探究するため”、としている。

まず大学や研究機関などから研究の提案を求め、その上位5作に対して研究資金10万ドルとHoloLens開発キット2つを提供する。

Microsoft Researchの企業担当VP Jeannette Wingが、ブログ記事で次のように述べている: “この新技術には非常に多くの可能性があるので、学究分野の方々にRFP(request for proposals, 提案リクエスト)をお送りし、社会においてホログラフコンピューティングが持ちえる役割とありうるアプリケーションについて研究していただきたいと願っている。今後はさらに、ホログラフコンピューティングの新たな可能性について、とくに複合現実の応用分野における高度な研究を奨励して参りたい”。

Microsoftは、ホログラフコンピューティングの応用研究の対象分野の候補を、次のように例挙している。もちろん、これらに限定する、という意味ではない:

  • データの視覚化
    例: 複合現実を利用して大きなデータ集合のナビゲートと理解を容易にする
  • 科学、工学、医学、デザインなどの教育方法の進化
    例: 新旧の3D技術を利用して高度な教育訓練を行う(医学教育のため対話的3Dモデルの利用など)
  • 未来的なコミュニケーションと分散コラボレーション
    例: リモート教育とリモートサポート、災害時緊急対応要員の状況管理、仮想会議
  • 対話型アートと実験的メディア
    例: 物語りの展開、新しい美術表現形式、対話的ジャーナリズム
  • 心理学関連
    例: 人間の知覚と、人間とコンピュータの対話
  • アプリケーション固有の各分野における難問の解決と新たなインサイトの貢献

このRFPはVR技術の学術的利用においてMicrosoftをその先頭に立たせる大きな機会だ。HoloLensのこれまでのデモは、MinecraftやSkype、3Dオブジェクトとの対話、などに限られていた。今のHoloLensハードウェアにはいくつかの制約があるが、未開拓の研究分野における応用研究ともなると、その可能性はほぼ無限だろう。

提案提出の締め切りは9月5日である。詳細はMicrosoftのサイトで。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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