Microsoftにとってモバイルはさほど問題ではないかもしれない

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Microsoftが昨年Windows 10の戦略を発表した時、統一プラットフォームでWindows Mobileに勢いを付け、長年くすぶっていたWindows Phoneを軌道に乗せる考えだった。

基本的な考え方としては、1回Windows 10のデスクトップ用に開発をすれば、そのコードを他のどの端末にも簡単に共有できるようにするというものだ。こうすることで開発者を惹き付ける魅力を備え、Windows Mobileが普及するという完璧な開発の好循環を生み出すという考えだ。

しかし、上手くはいかなかった。MicrosoftはiOSとAndroid用のソフトウェアを開発するという奇妙な立場にいる。それは単純に、十分なWindowsのモバイルエコシステムがないからだ。

comScoreの最新のマーケットシェアの数値によると、昨年の第4四半期のMicrosoftのシェアは、アメリカ国内で2.9%だった。気になっている人のために記しておくと、この数値は9月から変わっていない。1月の第4四半期の収支報告では、Microsoftはスマトーフォンプラットフォームが大きく低下したことを伝えた。

この頃にはWindows 10のモバイル開発の魔法が効いてくるはずだった。Microsoftの立てた計画通りに進まなかったのは明らかだ。

Windows 10が出て、2億7000万台の端末に広く普及した。しかし、それはWindowsのスマートフォンにはさほど波及していない。

方針を調整

昨年、 Satya NadellaがZDNetのMary Jo Foleyとのインタビューで、モバイル戦略がどのように発展することを期待しているかについて説明している。

「Windows 10への無料アップグレードはスマートフォンの立ち位置を高めるためのものです。この戦略に決定したのはそのためです。誰かが私にWindows Phoneにコミットするのかと尋ねるのなら、その人は私が新型の低価格スマホを4モデル制作するということではなく、Windowsの無料アップグレードを行っていることに注目してほしいと思います。」

今週、Business InsiderのMatt Rosoffとのインタビューで、Rosoffは先週のBuild開発者カンファレンスにおいてWindows Mobileについての言及が抜けていたことを指摘した。 それに対してNadellaの発言のニュアンスを変えた。

「まず、私はモバイル用WindowsとHoloLensのWindowsやXboxのWindowsと区別していません。一つのWindowsしかありません。複数のWindowsがあるということではないのです。それは複数のフォームファクタで走りますが、1つの開発者プラットフォーム、1つのストア、開発者用のための一連のツールは1つです。それを異なる画面サイズや異なるインプット、アウトプットとして適応するということです」。

TechCrunchのHaje Jans KampsもWindowsのスマホに関する議題がBuildカンファレンスのキーノートから明らかに抜け落ちていることに気が付いた。Xamarinの紹介の途中で、プレゼンターは下記のように述べた。

「それがAndroidでも、iOSでも構いません。どちらにも対応します」とプレゼンターは言い、発表を続けた。「2項目のリストから抜けているプラットフォームがあるようだ」とKampsは首をひねった。

友人の力を借りる

問題は残っている。Microsoftは強力なWindowsモバイルの立ち位置を確立せずに成功することはできるのだろうか?見た限りでは、他にたくさんの選択肢があるわけではないようだ。Nadellaはクラウドで地盤を固める構えのようで、Windowsのスマホが十分普及していない中、iOSやAndroidの開発に自社ツールを解放するという戦略は順当なものだろう。

モバイルクラウドの連結がもたらすものを考えると、MicrosoftがWindowsでその立ち位置を築きたいというのは理解できる。だが、Nadellaは自社の将来がWindowsと共にあるわけではないと考えるようになったのかもしれない。Windowsではなく、AzureとOffice 365にあると。そうであるなら、Buildでその2つに強く焦点を当てていた理由が説明できる。

その考えとCortana(Microsoftの話すバーチャルアシスタント)を含め Microsoftの制作するボットが、Microsoftのツールや外部プラットフォームであるSlackやLINEでも活用できることを考慮に入れると、Microsoftが自社のモバイルプラットフォーム無しに成長するビジョンも見えてくる。

世界がモバイルクラウドの統合に急速に進むほど、もしかしたらその基礎となるOS自体の重要性は低くなるかもしれない。そうであるなら、クラウドモバイルの根幹となる配管の一部を保有し、どの端末でも、どこでも利用できるボットやアプリが自分たちのエコシステムから輩出できるなら、Windowsのスマホの欠落はさほど問題にはならないだろう。

Microsoftの弱いモバイルの立ち位置からは、その方向性に活路が見出だせる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

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