今日(米国時間5/12)テキサス州ヒューストンで行われたTechEdイベントで、MicrosoftはVisual Studioの最新アップデートを披露した。先月のデベロッパカンファレンスBuildで発表したリリース候補に比べて大きな変更はないが、その発表の中には意外なものが一つある: それは、最近進められているVisual Studioのクロスプラットホーム対応化努力の一環として、今日は、オープンソースのApache CordovaプロジェクトのためのVisual Studioツールを発表したことだ。
CordovaはAdobeのPhoneGapフレームワークのベースにもなっていて、HTMLとCSSとJavaScriptだけを使って、iOS、Android、Blackberry、Windows Phoneなどなど多様なオペレーティングシステムにまたがるクロスプラットホームなアプリを作るための開発プラットホームだ。
Microsoftのデベロッパ事業部の企業担当VP Brian Harryによると、Visual StudioはCordovaのエコシステムに深く統合される。たとえばデベロッパは、Cordovaデバイス(デバイスシミュレータ)とAndroidエミュレータをVisual Studioの中から動かせるし、Cordovaのエコシステムにあるプラグインをすべて利用できる。
同時にこのプレビューでは、CordovaがVisual Studioの機能のすべてにアクセスでき、たとえばTypeScriptでアプリを書くことも容易にできる。Cordovaは、MicrosoftによるVisual Studioのアップデートよりも頻繁にアップデートされるから、VSの方も、それに合わせて臨時のアップデートを適宜行う。
Harryによると、Microsoftは今後、Cordovaのオープンソースエコシステムのアクティブなメンバーになって、Cordovaに積極的に貢献していく計画だ。アップデート: 実はMicrosoftは数年前から、Open Technologiesへの助成を通じてCordovaプロジェクトに積極的に関与している。.
Visual Studioのクロスプラットホーム対応化に向けての大きな動きは、今回が第二弾だ。今年の初めにはXamarinとの深いパートナーシップを発表して、.NETのデベロッパたちがVisual Studioを使ってクロスプラットホームなネイティブアプリを作れるようにした。今度のCordovaの統合により、デベロッパはそのための第二の選択肢を持つことになる。
Visual Studioのアップデートで、Buildですでに発表されていたものの中には、これらのほか、.NET Native Codeのコンパイル、TypeScript 1.0とUniversal Projectsがある。後者は、単一のアプリでWindows PhoneとWindowsデスクトップに対応する、というものだ(もうすぐXboxにも)。
こういった開発環境のアップデートのほかに、Visual Studio Online(アプリケーションのライフサイクル管理サービスTeam Foundation Serverのクラウド版)にも重要なアップデートが導入される。それによりVisual Studioでは、オンラインでサードパーティのツールを統合化して使えるようになる。今日は18社のパートナーが発表されたが、その中にはZapier、ZenDesk、Kato、UserVoiceなどがいる。でもこれは、きわめて標準的なREST APIだから、そのほかのサービスからの参加も容易だろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))