スター・ウォーズの世界ではライトサーベル、ホログラム、ハイパードライブといったはなばなしいテクノロジーが有名だが、水不足の惑星タトゥイーンではルーク・スカイウォーカーのおじさん夫妻は水不足に苦しんでいた。ネタバレ覚悟でいえば、オーウェンとベルは悲劇に襲われ、水を得ようとする努力は実を結ばなかった。それでも砂漠の空気中から水を得るというアイデアは魅力的だった。
MIT〔マサチューセッツ工科大学〕の研究チームは、アリゾナ州テンピで新しいデバイスをテストしていることを発表した。これはまさにスターウォーズ的な装置で、砂漠の空気から水を絞り出すことができる。太陽光で駆動される装置はMOF〔金属フレーム〕に収められ、湿度10%以下という極端に乾燥した砂漠の大気から水分を抽出することができる。既存の同種の装置にくらべて50%以上効率が高いという。
この装置は現在アリゾナ州立大学の建物の屋根に設置されている。取り出された水分はまだミリ単位だが、不純物を含まない水であり、実証実験としては有望なスタートだ。
研究チームのリーダー、Evelyn Wangは「この装置は水源から水を吸い上げる必要がなく、きわめて安定して作動し、高品位な水を得ることができる」と論文で紹介している。
可動部分はなく、いったん設置すれば作動中はかなりの期間放置しておいてよい。実用化できるかどうかは得られる水の量にかかっている。実用になるなら市場はそうとうな規模になるだろう。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)