MITと清华大学共同でグラフェンインプラントの実用化に一歩近づく発見、それは「水」だった

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おー、グラフェンよ、汝すばらしき奇跡の物質よ。厚さ1原子の炭素原子の、格子状の素材は、アップロードの速度からスポーツ用品に至るまで、あらゆるものに革命をもたらす方法として提案されている。そしてもしも、それをインプラントする方法を見つけたら、明らかにわれわれ全員が無敵のロボコップになる。いや、控えめに言っても、人体の内部を完全にモニタできるようになり、薬を正しい場所に運ぶことができる。

グラフェンのもっとも革新的な用途としては長年、バイオニクス(bionics, 生体工学)が挙げられている。しかし、この物質と、敏感で傷つきやすい人体の組織との親和性を良くする、という別の課題もある。最大の問題が熱だ。固体素材に電気を通せば、それは当然熱くなる。そして周辺の人体組織を焼き肉にするだろう。

しかし最近MITと北京の清华大学が共同で行ったシミュレーションにより、科学者たちは問題の解を見つけたと信じている。それは、水だ。グラフェンと人体組織の間に薄い水の壁があれば、周辺の細胞が唐揚げになることを防げる。

彼らはそれを、“サンドイッチ”モデル、と呼んでいる。グラフェンと人体細胞がパンで、水が具材だ。おばあちゃんは、水サンドだけは作らなかったが。

MITの科学者Zhao Qinは語る: “水は、体のあらゆるところにある。細胞膜の表面は水を必要とするので、水を完全になくすことはできない。そこでわれわれは、グラフェン、水、細胞膜というサンドイッチ構造を考えついた。それは、二つの物質のあいだに熱伝導があるための、ほどんど自明のシステムだ”。

熱の放散速度をコントロールするためには、水の厚さを変えればよい。場合によっては、…たとえばがん細胞なら…、細胞の唐揚げ化はむしろ良いことだ。水の厚さを変えるコントロール構造は、グラフェン自身の構造物で可能だ。その構成を変えることによって、水の分子を引きつける能力を変えられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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