MongoDBのAtlasは、クラウド上のマネージドデータベースサービスだ。マネージド(managed, 管理つき)というのは、データベースのセットアップやメンテナンスは全部Mongoが面倒見るので、デベロッパーがそのレベルで苦労する必要はない、という意味だ。今日(米国時間6/27)同社は、このやり方をさらに一歩前進させて、顧客がデータの所在(地理的配置)を細粒度でコントロールできる、Global Clustersと呼ばれる機能を発表した。
これによりユーザー企業はクラウドプロバイダーを自由に選び、そしてAtlasが動くMongoDBのデータベースからは世界のデータのどの位置にも移動できるようになる〔後述〕。MongoDBのCTOで協同ファウンダーのEliot Horowitzの説明によると、クラウドプロバイダーはどこの誰であってもよい。データの位置ポリシーを設定し、クラウドベンダーとデータセンターの場所を選び、その結果をグラフィカルな世界地図(下図)の上で見ることができる。それでOKなら、Mongoがバックグラウンドで自動的にデータを移動し、そのときシャットダウンは不要だ。
今月発効したEUのGDPRに見られるように、多くの国がデータ主権(data sovereignty)の証拠を求める。でも企業がそのような規則に自力でコンプライアンスすることは、難題である。Horowitzによると、彼はAtlasのための地理的パーティションを作ったが、それは技術的にものすごい苦労だった。しかしそれをこのようなサービスとして提供することによって、データのマイグレーションを小企業でもできるようになり、彼らは最初から(データに関し)地理的な粒度を持てることになる。
彼曰く: “圧倒的に数が多いのは小企業だが、彼らも今では、大型のWebサイトと互角に競争できると感じているし、最初からレベルの高いサービスを提供できる。しかもそのために、エンジニアのチームを雇う必要もない”。
Mongoから見てこのやり方が優れているのは、ユーザー企業自身が全世界的なデータセンターを構築しなくてもよいことだ。AWS, Microsoft, Googleなどメジャーなパブリッククラウドプロバイダーがグローバルなロケーションを持っているから、それに乗っかるだけでよい。
“データセンターはクラウドプロバイダーが持ってる、というところがクールだね。ユーザーが必要とするリージョンを持ってるクラウドプロバイダーを、選べばよいのだ”、と彼は言う。
Atlasのユーザーは今日からこの機能を利用できる。