MySQLを飛び出た人たちの再会と合体: SkySQLがMariaDBと合併して後者に一本化

オープンソースのデータベースの世界にも、整理統合がある。このほど、オープンソースデータベースのSkySQLが、同じくオープンソースデータベースMariaDBのMonty Program Ab合併する。Facebook、Twitter、WikipediaなどがMariaDBを使っている。この合併はまるで、久々の同窓会のようだ。どちらもMySQLの中心人物たちが作った会社で、Webスタートアップが使うデータベースのデファクトスタンダードみたいだったMySQLは2008年にSunが買収し、そしてその結果としてのちにOracleの一部になった。Monty ProgramのファウンダMichael “Monty” Wideniusは、MySQLのファウンダだ。

合併の財務的条件は公表されていない。合併の完了は4か月後とされている。

合併によって社名が消えることになるSkySQLによれば、今後は技術力をMariaDBに注ぎ込み、NoSQLとSQLの両面において各種データベースとの相互運用性の充実に努める。またMySQLのデータベースとMariaDBのデータベースのユーザがともに、“エンタプライズとクラウドにおいて自分たちのデータを効果的に管理”できるようにする。MariaDBは各年に約50万のダウンロードがあり、そのほかにLinuxのディストリビューションに最初から含まれている場合もある。

合併とともにSkySQLは、MariaDB Foundationの一員となり、お金も人材もそこに吸収された形で同社の開発努力は持続する。MariaDB FoundationのCEO Simon Phippsは、“われわれのコードベースがFoundationに再統一され、それを代表する会社ができたことは、欣快である”、と言っている。

SkySQLのCEO Patrik Sallnerが合併後の会社のCEOになり、WideniusはMariaDB FoundationのCTOになる。

この合併は、小規模なデータベース企業がOracleやIBMのような大型選手に互して生き延びていくための、重要な進路模索行為の一環だ。

Wideniusは、おもしろいコメントを残している: “MySQLデータベースは私の最初の娘Myの名前を付けた。MariaDBデータベースには、私の次女Mariaの名前を付けた。今回の合併と私自身のMariaDB Foundationにおける役割から見ても、MariaDBは今後とも、永遠にオープンソースであることを守らなければならない。そしてまた、エンタプライズやコミュニティのMySQLおよびMariaDBユーザは、今後、SkySQLが提供する最良の血統の製品とサービスとサポートから利益を得ることになる。かつての私だけでなく、誰もが自分の子どものためにはベストを尽くそうと頑張るのだから”。

これはまた人材の確保策でもある。“有能なMariaDBのデベロッパチームと協働することにより、SkySQLは総合的なパートナーシップを、オープンソースデータベースの指導的な顧客に提案できる”、とSallnerは声明文の中で言っている。“われわれはこれから真剣に、MariaDBをもっとも多芸なオープンソースデータベースに育て上げなければならない。またMariaDB Foundationとの協働はMariaDBのユーザとデベロッパに深く関わる機会を提供し、MariaDBプロジェクト本体の独立性を確保する重要な使命に、われわれも関与することになる”。そしてSkySQLとしての具体的な課題は、今後も一貫して、MySQLデータベースのすべてのリリースのサポートと相互運用性とコスト削減とデータベースのセキュリティに尽力していくことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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