NASAは少なくとも6機、最大で12機のOrion宇宙船をLockheed Martin(ロッキード・マーティン)に発注した。Orionは同社が有人宇宙飛行ミッションのために特別に設計/製造した宇宙船で、最初のOrionは来年に予定されている初の月ミッションの準備に先立ち最近完成した。
今回の契約は、NASAが2024年の目標として掲げている月への有人飛行を実現する最初のミッションと、2030年9月30日までの期間におよぶ追加ミッションを対象としたものだ。当面の具体的なミッションはArtemis III〜Artemis Vで、契約額は27億ドル(約2900億円)となる。NASAは2022年に、Orion発注の第2弾となるArtemis VI〜Artemis VIIIの注文を予定しており、19億ドル(約2000億円)で発注する予定だ。NASAによると、これは意図的に3機のOrionを注文することで「後のサプライチェーンの効率化の恩恵が得られる」としており、これがおそらく8億ドル(約860億円)の価格差の原因だろう。
NASAはまた、宇宙船の再使用によってコスト効率を高めたいと考えている。同宇宙局は、Artemis計画の最初の有人ミッションであるArtemis II(これは月の周囲を飛行するのみで、着陸は実施しない)から、少なくとも1機につき1回はOrionを再使用したいと考えている。NASAはまた、このOrionの契約はLunar Gatewayプロジェクトにも役立つだろうと述べており、宇宙船の部品の再使用は将来の月ミッションをサポートする月周辺の宇宙ステーション計画や、火星やさらに遠い領域へのステージミッションに貢献するとしている。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)