米航空宇宙局(NASA)は、Blue Originの再利用可能な準軌道ロケット「New Shepard」(ニューシェパード)のミッションで、月や火星の厳しい地形で使用するために設計された新しい精密着陸システムを初めてテストする予定だ。安全で正確な着陸、統合された機能の進化を目指すSPLICEシステムは、多数のレーザーと光学式カメラ、コンピューターで構成されており、センサーが収集したすべてのデータを高度なアルゴリズムを用いて処理し、潜在的な危険を特定し、飛行中に着陸パラメータを調整して安全な接地を確保する。
SPLICEは、4つの主要なサブシステムのうち3つ実戦テストをNew Shepardのミッションで実施する。AmazonのCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が創業したBlue Originは、通常は宇宙との端まで旅をした後、第1段階のブースターを地球に戻すが、今回のSPLICEのテストではNASAの自動着陸技術が月や火星の地表に接近するときと同じように、船上で動作することになる。テスト要素は地形相対航法、ドップラーレーダー、SPLICEの降下・着陸コンピュータが含まる。4つ目の主要なシステムであるLidar(ライダー、光による検知と測距)ベースのハザード検出は、将来の計画飛行でテストされる。
現在NASAは、火星に向かうPerseverance(パァーサァヴィアラァンス)ローバーを含む、ほかの惑星の地表にあるロボット探査機のためにすでに自動着陸を使用している。しかし、安全な着陸を確実にするには、障害物のない広大な土地で潜在的な危険がない着陸地点を選ぶことが重要だ。既存のシステムは、いくつかの調整が可能だが制限も多い。
SPLICEは、より正確な着陸を可能にするように設計されており、より近くの危険に対応できるようになっている。これにより、月や火星についての知識や理解を深めるられると期待される。
前述したLiDARシステムは、今回のSPLICEテストの重要な新要素だ。LiDARが火星や月の地形でどの程度の性能を発揮するのか詳細にはわかっていない。それでもNASAは、表面マッピングや特徴検出のためのレーダーベースの方法よりもはるかに優れた精度を提供すると確信している。
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(翻訳:TechCrunch Japan)