Netflixが「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるロアルド・ダール作品の管理会社と作品を買収

Netflix(ネットフリックス)は、Roald Dahl Story Company (ロアルド・ダール・ストーリー・カンパニー、RDSC)ならびに「Charlie and The Chocolate Factory(チャーリーとチョコレート工場)」「Matilda(マチルダは小さな大天才)」「James and the Giant Peach(おばけ桃が行く)」といったクラシック作品を含むロアルド・ダール氏の全作品の権利を買収すると発表した。買収条件は明らかにされなかった(買収は当局の承認次第だ)が、The Hollywood Reporterによると、Netflixは3年前にダール氏の16の作品の権利に「9桁」の額を支払っている。いずれにせよ、同社にとって過去最大の買収の1つになりそうだ。

買収のニュースはBloombergの報道で米国時間9月21日に表面化した。Netflixはダール氏の作品に関して大きな計画を持っていて、ここには「アニメーション、実写版の映画、テレビ、出版、ゲーム、没入型体験、劇場、消費者向けプロダクトなど」でのユニークな世界の構築が含まれていると同社CEOのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏、RDSCのマネージングディレクターでダール氏の孫であるLuke Kelly(ルーク・ケリー)氏は声明で述べた。

ディレクターのTaika Waititi(タイカ・ワイティティ)氏と脚本家のPhil Johnston(フィル・ジョンソン)氏が「チャーリーとチョコレート工場」の世界をもとにしたシリーズに取り組んでいる、と両社は明らかにした。Netflixはまた、ソニー、Working Titleとともに「Matilda The Musical(マチルダ・ザ・ミュージカル)」の翻案も手がけている。

買収は、Netflixの過去のコンテンツ取引をはるかに超えているようだ。コンテンツ取引では同社は単にライセンス認可を他社からもらう。ライセンス認可で有名なのが「Marvel(マーベル)」で、Disney(ディズニー)と契約を結べずに「Daredevil(デアデビル)」と他のマーベル作品は結局キャンセルに終わった。当時、DisneyはNetflixのライバルとなるサービスDisney+の立ち上げを計画していた。

ロアルド・ダール氏の作品の買収で、Netflixは「これらの時代を超えた物語を新しいフォーマットでより多くの視聴者に届け、その一方で作品のユニークな精神と、驚きと優しさというユニバーサルなテーマを維持する」ことを約束する、とサランドス氏とダール社は述べた。「若い人々のパワー、そして可能性の物語とメッセージが今ほど適切だと感じられたことはありません」。ダール社は2020年、反ユダヤ主義的なダール氏の過去の発言についてウェブサイトに謝罪文を掲載したとBloombergは報じた。

編集部注:本稿の初出は​Engadget。執筆者のSteve DentはEngadgetの共同編集者。

画像クレジット:Netflix

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(文:Steve Dent、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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