Netflixが共同CEOに最高コンテンツ責任者のテッド・サランドス氏を指名

Netflixのコンテンツ部門を長らく率いてきたTed Sarandos(テッド・サランドス)氏が、共同創業者で現CEOのReed Hastings(リード・ヘイスティングス)氏との共同CEOに指名された。

サランドス氏は最高コンテンツ責任者の職も継続しつつ、役員会に加わる。一方、最高プロダクト責任者であるGreg Peters(グレッグ・ピーターズ)氏は最高執行責任者を兼任する。

ヘイスティングス氏はブログで今回の任命で社の日々のオペレーションが大きく変わるとは思っていない、と述べた。同氏は「十分ふさわしい昇進」は「我々の今日の事業を形にしたものだ」との考えを示した。

ヘイスティングス氏は20年以上前のこととなるサランドス氏との出会いを回顧し、そして社の最近の成功にサランドス氏が大きく貢献したことを指摘した。

ストリーミングが登場し、それを推し進める中でテッドは当社のコンテンツ戦略における革命をもたらした。それは時代の先をいくもので、継続的な成功のための鍵だった。業界そして消費者の好みがどこに向かっているのかを見極められるのが彼の能力だ。彼は、世界中から最もクリエイティブで素晴らしいエンターテイメント業界の幹部をあつめてきて驚くべきチームを作った。

同じブログ投稿の中で、サランドス氏は「Netflix会員への約束」は「消費者第一の企業が、コンテンツを愛する人のためにできることの限界を引き続きを押し広げることだ」と述べた。

関連記事:絶好調なのにNetflixの株価はなぜ10%も下がったのか

今回の発表は、Netflixの第2四半期決算発表のタイミングで行われた。同社は第2四半期に新規加入者1000万人超を獲得し、有料会員は1億9295万人となった。一方で売上高は61億5000万ドル(約6600億円)、1株あたり利益は1ドル59セント(約170円)だった。

同社は新型コロナウイルスパンデミックの間にかなり成長した。第1四半期にすでに新規加入者1577万人を獲得しており、つまり2020年上半期に計2600万人を獲得したことになる(参考までに、2019年上半期の新規加入者は1200万人だった)。

しかしNetflixは2020年下半期に関するガイダンスで、第3四半期の新規加入者は250万人という慎重な予想を示した。これが米国東部時間7月16日午後4時半現在、時間外取引でのNetflix株価を10%押し下げている

「2020年第1四半期のレターで示したように、有料新規会員数は下半期には前年を下回ると予想している。好調だった上半期が下半期の需要を前倒しで取り込んだ可能性があるためだ」と同社は述べた。

他の映画・テレビ業界の企業と同様、Netflixもパンデミックで制作の一時中止を余儀なくされた。しかし新しい映画やテレビ番組のコンスタントな配信開始があり、制作を中断していたことに気づいていない人もいるかもしれない。今では「世界中の多くの場所でゆっくりと制作を再開している」が、「現在の感染傾向」を考えると米国での制作再開は疑わしい。

にもかかわらず、同社は2020年のスケジュールは「ほぼそのまま」だと述べた。

「現在の計画に基づくと2021年は、制作の一時停止により主要作品のリリースは下半期に集中すると見込んでいる。ただ、通年でのオリジナル作品数は2020年より増えると予想している」と述べた。

画像クレジット:Amanda Edwards / Getty Images

原文へ
(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。