Netflixの社内ハッカソン「Netflix Hack Day」では、さまざまな原石が生まれる。脳でコントロールするインターフェイス、寝落ちするとNetflixを終了するFitbitのハック、任天堂のNESで動くNetflixアプリ、NetflixアプリをFace IDとARKitで動かす方法などだ。今年のNetflix Hack Dayで社員は音声テクノロジーや触覚フィードバックなどに挑んだ。触覚フィードバックは画面のアクションなどに連動してスマートフォンが振動するというものだ。
触覚フィードバックを利用したこのハックはProject Rumble Pakと名づけられた。これは、ボールのバウンド、カーレース、オブジェクトの衝突や破壊などのアクションを振動で感じさせるモバイルゲームからヒントを得たものだ。
こうしたモバイルゲームと同じように、Project Rumbleでは番組や映画中のフライト、バトル、大爆発といったシーンを体感できる(Rumble Pakをオンにしてマイケル・ベイ監督のアクション映画を体感してみたい!)。このハックに取り組んだチームのHans van de Bruggen氏とEd Barker氏は、テレビアニメ「ヴォルトロン」の大爆発シーンを使って、スマートフォンが振動するデモを披露した。
このハックは、イマージョン社の技術を使ってNetflixのコンテンツと触覚の効果を同期させている。
次に紹介する「Voice of Netflix」は、Netflixのお気に入りのキャラクターの声で文章をしゃべらせるものだ。Netflixのコンテンツから単語を見つけるようにニューラルネットをトレーニングし、見つけた単語を使って新しい文をオンデマンドで読み上げる。
3つ目はTerraVision。ビジネスに結びつきそうな実用的なハックだ。
映画製作者が撮影したいロケーションのイメージに近い写真をインターフェイスにドラッグすると、ロケーション写真のライブラリからそれに近い結果を返す。このハックは、場所を認識するようにトレーニングしたコンピュータビジョンのモデルを利用してイメージ検索機能を実現している。
最後に紹介するのはアカデミー賞のスピーチが長すぎるときに流れるような「退席の音楽」を奏でる、ゆるいハック。誰かが会議室の予約時間をオーバーしているときに使える。
残念ながら、Netflixのハックの多くはハッカソンの域を超えない。しかし社員たちはさまざまな方法で現実のプロジェクトに刺激を与え、創造性を発揮し続けるだろう。
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(翻訳:Kaori Koyama)