直近の決算報告によると、Netflix(ネットフリックス)は2019年第4四半期に有料会員を880万人増やし、760万人増という予想を上回る好成績を収めた。
同社は全世界での有料会員は1億6700万人で、米国外の有料会員は1億人を超えるとしている。また、決算内容も売上高は54億7000万ドル(約6020億円)、1株あたり利益は1.30ドル(約143円)と予想を上回るものだった。アナリストの予想は売上高54億5000万ドル(約6000億円)、1株あたり利益は53セント(約58円)だった。
この好成績は、2019年第4四半期中にDisney+、そしてApple TV+といった2つの主要ストリーミングサービスの提供が始まったにもかかわらずのものだ。2020年はWarnerMediaのHBOMax、NBCUniversalのPeacockなどの参入でさらに競争激化が見込まれている。
Netflixは株主への書面の中で競争の激しさについて述べている。「TVに取って代わるもの」として多くのサービスが成長する余地があると述べつつも「第4四半期中にメンバーシップあたりの視聴はグローバルそして米国の両方で対前年比で伸びた」とも指摘した。
Netflixはまた、Disney+の『Mandalorian』、Apple TV+の『Morning Show』、Amazonの『Jack Ryan』よりも同社のオリジナルシリーズ『The Witcher』が多くの関心を集めたことを示すGoogle検索トレンドも引き合いに出した。
これは少し不公平な比較のようだ。特にDisney+に関して、同サービスはこれまでのところ、まだいくつかの国でしか視聴できない。しかしNetflixは「Disney+が最初に展開されたオランダの結果を考慮しても、もしDisney+がグローバル展開していたとしても、結果はそう大して変わらなかっただろう」と主張する。
実際Netflixは、会員の7600万世帯が視聴を選んだ『The Witcher』はこれまでで最も視聴されたテレビシリーズシーズン1になる、と語る。また8300万世帯がMichael Bay(マイケル・ベイ)氏監督のアクションフィルム『6 Underground』を視聴することを選んでいるという。
「視聴することを選んでいる」というフレーズに少し違和感を覚えている読者もいるかもしれないが、Netflixは視聴者層についての表現を変えている(すでに議論の的だ)。以前はエピソードや映画の少なくとも70%を視聴したアカウントの数を共有していたが、現在では番組や映画の視聴を選んだ会員数と、実際に最低2分視聴した会員数をとり上げている(2分間というのは視聴を意味するのに十分な長さだ、というのは意図的だ)。
このため視聴者の数は平均35%増えている、とNetflixは話す。
「我々の新たな方法論は、タイトルごとの『リクエスト』に基づくランキングという点でBBCのiPlayerや、New York Timesの『最も人気の記事』、そしてYouTubeの視聴数と似ている」とNetflixはいう。「短編も長編も平等に扱われ、長さが決まっていないインターラクティブなコンテンツを含むあらゆる分野を網羅している」
決算発表で明らかになった懸念は、2019年第1四半期での会員数は960万の純増だったが、2020年第1四半期では700万増を見込んでいて、成長が緩やかになっている点だ。これについてNetflixは「現在直面している競争が今後も米国マーケットで続き、また2019年の価格変更のタイミングと第2四半期のコンテンツが充実していることから、2020年Q1とQ2の成長に差が出ると考えられるため」としている。
米国東部時間午後4時51分時点で、Netflixの株価は時間外取引で0.41%上昇した。
画像クレジット: Krisztian Bocsi / Bloomberg / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)