NSAが極秘のスパイ事業XKeyscoreについて釈明

NSA(National Security Agency)の考えでは、われわれは、メールやソーシャルメディア上のおしゃべりの内容を見られてしまうというツールXKeyscoreに関する、The Guardian紙の報道に惑(まど)わされている。

NSAが今日(米国時間7/31)発表したプレスリリースは、“アナリストが任意にNSAが収集したデータにアクセスできるという、広範に広まってしまった非難は、事実に反する。XKEYSCOREをはじめNSAの分析ツールはすべて、命じられた業務のためにアクセスを必要とする者だけが使用できる”、と述べている。

今朝The Guardianは、それまで極秘だったこの監視ツールについて詳しく報じた。記事によると、アナリストの資格を有する者はインターネット上の通信の内容を名前や日付などで検索できる(上図)。The Guardianの主張では、その権限は個別の案件ごとの許可が不要で、多数のアナリストに付与されている。内部告発をしたEdward Snowdenも、その一人だ。

しかしNSAのプレスリリースは主張する:“われわれのツールは、何段階にも亙る厳格な監督とコンプライアンスの機構の下(もと)にあり、すべてのアナリストがすべての機能を実行できることはなく、また、自由に操作できるアナリストは存在しない。NSAのアナリストが行う検索はすべて、完全な監査が可能であり、それらが適正かつ合法的であることを確証できる”。

しかし、歯に衣着せぬ政府批判で知られる上院諜報委員会のRon Wydenは、行政府からの報告は眉に唾して読め、と示唆している。Verizonに対する、電話のメタデータをよこせという命令の、機密扱いが解かれたとき、 Wydenは次のような声明を発表した:

“しかし、本日機密扱いを解かれた要約文書を読むと、当時行政府は議会に対し、2011年まで行われていたUSA PATRIOT Actに基づくメール記録の大量収集事業の意義に関し、不正確な説明を行っていたことが明らかである。これらの説明は実質的に、この事業の意義に関して議会の認識を誤らせた、と言える。”

NSAの言うことを信じるべきだろうか? 黙ってろ、任せておけ、という彼らの言い分も?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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