Nylasが電子メールAPIツールを拡張するために、1600万ドルをシリーズBで調達

開発者がAPIを使用して、電子メールコンテンツをアプリケーションに統合することを簡単にしてくれるスタートアップのNylasが、本日(米国時間8月22日)Spark Capitalによって主導される1600万ドルのシリーズBを発表した。

既存の投資家である8VC、Great Oaks Capital、Rubicon Venture Capital、そしてJohn Chambersの個人ファンドに加えて、Slack Fund、Industry Ventures、そしてScaleUpなどが投資家として名を連ねている。本日の投資で、調達額の総額は3000万ドルに達した。

Nylas APIはStripeやTwilioと同じように動作するが、数行のコードで支払いや通信機能にアクセスできるようにする代わりに、Nylasは開発者たちが電子メール、カレンダー、そして連絡先情報にアクセスすることを助ける。このようなAPIの背後にあるアイデアは、アプリケーションのコア目的外の特定の領域に対する専門知識がない開発者が、その特定の領域の機能に簡単にアクセスできるようにすることだ。

同社のCEO、Gleb Polyakovは、Nylas以前には、多くの技術的な手間暇をかけることなしに、電子メールシステムに接続できる効果的な方法は存在しなかったと言う。「インターネットを使用しているすべての人が、電子メールアドレスを持っていて、メールボックス、カレンダー、そしてアドレス帳には膨大な量のデータが置かれています。これまで、企業はそのデータを効果的に利用することができませんでした」と彼はTechCrunchに語った。

この種の情報に任意のアプリケーションからアクセスすることは、必須の能力のように思えるが、大部分の企業はそれを行うことが困難であるという理由から、包括的なアプローチを避けているのだと、共同創業者でCTOのChristine Spangは語る。

「私たちはそれぞれの電子メールシステムのネイティブプロトコルに対するアダプターを構築しました。例えばGmail、Microsoft Exchange、オープンソースのIMapサーバー、そしてさまざまなIMap実装で利用可能なさまざまな拡張機能などが相手です。そして重要な点は、これらのアダプタで、Google、GoDaddy、Yahooなどのバックエンドプロバイダと通信することができるということです」とSpangは説明した。

写真:Nylas

この機能は様々なシナリオで開発者にとって有益なものとなるだろう。例えばCRMのためのデータを、セールスマンと顧客の間で交換された電子メールから抽出するとか、複数の個人の予定とミーティングルームの空き状況を見て、全員の都合が良い時間にミーティングを設定することなどだ。

設立されて約5年のこの会社は、現在ニューヨークとサンフランシスコに35人の従業員を抱えている。新しい資金調達で、エンジニアリングを追加し、営業チームとマーケティングチーム立ち上げて、年末までにその人数を倍増させる予定である。これまでのマーケティングの大部分は開発者たちからの問い合わせに基くものだったが、彼らは企業に直接マーケティングすることで顧客ベースを広げたいと考えている。

現在は200の顧客と数千人の開発者たちがこのプロダクを利用している。顧客リストには、Comcast、Hyundai、News Corp、Salesloft、そしてDialpadなどが含まれている。

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(翻訳:sako)

写真: MirageC / Getty Images

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TechCrunch Japan

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