Olaがロンドンでのライドシェア免許更新に失敗、上訴して運用継続を表明へ

Uber(ウーバー)が英国・ロンドンでの運用を巡る裁判で規制当局から18カ月の延長を勝ち取ってからわずか6日後、有力ライバルの1社が苦境に立たされている。インド拠点のライドシェアリング・スタートアップであるOla(オーラ)は、ロンドンでのライドシェアリング免許更新に失敗した。ドライバーと車両のライセンシングに関して当局の公共安全要件を満たさなかったことが理由だ。

Olaはこの決定を上訴するとTechCrunchに話した。Uberの場合と同様、ロンドン交通局(TfL)の規則で決定に不服を申し立てている間は運用を継続できる。

Olaがライセンス更新できなかったニュースを最初に報じたSky Newsは、TfLがOlaの運用上の問題、具体的にはライセンスの無いドライバーと車両で1000回以上の乗客輸送を行ったことを発見(Sky News記事)したと書いている。TfLのライセンシング、規制、告発責任者であるHelen Chapman(ヘレン・チャップマン)氏は声明で、「乗客の安全を危険に晒す可能性のある」行為だと語った。

TechCrunchが得た情報によると、Olaはこれを規則の解釈に関わる問題であるとして上訴しようとしている。同社とTfLはドライバーと車両のライセンシングの管理にデータベースを異なる方式で用いていたため、Olaはライセンスの期限切れを適切な時期に知ることができなかった。ドライバーのライセンスの有無の相違は、TfLにとって十分大きな安全問題を生み出したようで、同局はOlaが問題解決を優先していないと認識している。実際それは、Olaが都合よく該当ドライバーを継続的に配置、運用できることも意味している。

Uberと同じく、OlaはTfLの決定に対する不服申立てをすでに準備している。

「Olaでは、TfLなどの規制当局と密接に協力的かつ透明性をもって仕事をすることを基本方針にしています」とOlaの英国マネージング・ディクターを務めるMarc Rozendal(マーク・ロゼンダル)氏が声明で述べた。「私たちは調査期間中TfLと協力して、問題をオープンで透明な方法で問題解決の保証と取組みの方法を探しました。Olaがこの決定に不服申立てを行うことで、当社が通常通り運用し安全で信頼できる移動手段をロンドンで提供し続けることを、乗客もドライバーも安心して信じられます」。

Olaはここ数年の間に約38億ドルを調達し、Uberらのライバルと激しく戦うべく事業を強化してきた。今年2月からロンドンで運用を開始し、2万5000人以上のドライバーが登録したが、乗車回数や乗車人数その他一切数値を公表していない。

Olaは自社の顧客以外にも、Gettなどのオンデマンドライドサービスと提携して他社の顧客にサービスを提供している。英国の他の都市でも運用しており、ソフトバンクが支援する同社にとって数少ないインド以外の国際進出先となっている(ほかにオーストラリアとニュージーランドがある)。英国、特にロンドンは、今もなお新型コロナウイルスによる事業縮小がある中、世界最大級のライドシェアリングサービス有望市場だ。しかし、ほかのライドシェアリング会社と同じく、英国市場におけるOlaの立場は常に確立されているわけではなく、議員への嘆願を繰り返している(未訳記事)。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Ola、ライドシェアリング

画像クレジット:NARINDER NANU / AFP / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。