「私にはメガネが必要か?」という質問は、ふつう視力検査を受けに行かないと答えがわからない。しかし、今日(米国時間2/26) 突如現れたOpternativeなら、パソコンかスマートフォンで、医師によるメガネの処方箋を作れる。Opternativeの検査には5~10分かかり、料金は35ドル ― 生身の検査より75%安い。100万ドルの資金を得て、会社は今夏のスタートを予定している。
「日々目の検査をしていて、私は考えた。もっと良い方法があるはずだ」とDr. Steven Leeは私に言う。このOpternativeの共同ファウンダーは、2007年に検眼科を卒業して以来、検査を続けてきた。ある時彼は、コンピューターとスマートフォンの進歩によって、あの無格好な「1と2、どちらが良く見えますか」マシンを置き換えられるかもしれないこのに気付いた。
2012年、Dr. Leeは7社を起業したAaron Dallekに会い、2人でシカゴを拠点にOpternativeを設立した[情報開示:筆者の大学時代の親友がそこに勤めている]。このスタートアップは、特別な機器を必要とせずすばやくオンライン検眼を実施する。結果を検眼医が確認した後、メガネの処方箋がデジタルに発行されるので、それを持ってどこででもメガネを作れる。
Googleで “online eye exam”[オンライン視力検査]を検索すると、いくつかヒットするが、それらは医療グレードではない。簡単なテストを受けた結果は「眼科医を受診するように」で、精度的にも法的にも処方箋は発行できない。Dr. Leeは、「あれはひどいひっかけ。全部がPV稼ぎ」であり、オフライン検眼医のアフィリエートにリンクしていると言う。
Dallekによると、Opternativeのシステムは本物である。なぜなら、「世界は一人ひとりに少し違って見えている。ぼんやりと見えている人。伸びて見える人。そして25%の人々には世界がくっきりと見えている。私たちは、個々の目の状態に応じて違って見える画像を作った」からだと言う。
Opternativeはスクリーンショットをこの1枚しか公開していないが、ファウンダー2人は私にデモを見せてくれた。クレジットカードを測って画面サイズを較正した後、一連の乱視、色弱、コントラスト、視力のテストが続く。
乱視の人たちは、世界が一定方向に伸びて見えるので、Opternativeは赤と緑の放射状の線を表示する。伸長によって赤と緑がにじんで黄色く見えるので、乱視のある角度をユーザーが選択できる。靴のサイズを聞き、かかとからつま先の歩幅で画面から遠ざかってもらうことによって、Opternativeはユーザーの距離ごとの視力を正確に測ることができる。すべてが巧妙かつ簡単で、楽しくさえ感じる。
消費者に35ドルで直接検査を提供するだけでなく、Opternativeは、眼科医の提携サイトに埋め込むことも検討しており、いくつかの大規模オンライン眼鏡類小売業者(Lenscrafters等)が興味を示している。ライセンス料金を払うことによって、Warby Parker等のEコマースサイトは、究極的にはその場でユーザーを検眼し、直後に度の合ったメガネを送るようになるかもしれない。
伝統的検眼業界は、Opternativeを危険な競争相手だと今は考えるかもしれないが、スタートアップの希望は、将来的に提携関係を結ぶことだという。Dallekは、Opternativeを「オンライン検眼だけでなく、デジタル視力検査の究極の標準」として、眼科医らが診察室で使えるようにしたいと説明する。
ライバルとして、EyeNetraとPeekVisionがインド、アフリカをターゲットに、視力ではなく眼球自身を測定する自動検眼を行っているが、先進国で使用するには精度が十分ではない。きっといずれは、Opternativeのオンライン検査が途上国の人々にも使える価格になって、彼らの目を正しく検査できるようになるだろう。
これまでにOpternativeは、市場に出るべくTribeca Venture PartersとChicago Venturesからシードラウンドで1,000,001ドル(オシャレ)を調達した。現在はFDA認可を目指してプライベートアルファテスト中だ。規制のハードルを越え、大衆利用で精度を維持するためには、まだ多くの労力が必要だ。しかし、現在Opternativeは早期利用者のサインアップを受け付けており、夏にはサービスが開始されるかもしれない。
もしOpternativeが成功すれば、検眼は一気に簡単になり、誰でも正確な処方を受けられるようになる。定期検診を何年も待ったり、目の衰えをごまかしたりする必要もなくなる。そこには美しい世界があり、Opternativeは、はっきりそれを見て欲しいと思っている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)