ピンされた画像を通じてアイデアやコンテンツを見つけたりシェアしたりできるソーシャルメディアプラットホームのPinterestは2週間前にIPO申請したが、米国時間4月8日にアップデートされたS-1書類を提出した。そこでは、売り出す7500万株の1株あたりの価格は15〜17ドルに設定している。このレンジだと、Pinterestが調達する額は11億2500万〜12億7500万ドルとなる。評価額という点では、クラスA、クラスB、そして追加のクラスBのオプションを計算すると、1株16ドルの場合の時価総額は106億4000万ドル、フルレンジは100億ドル(1株15ドルで計算)〜113億ドル(1株17ドルで計算)となる。
これはなかなか厳しい予想だ(あるいは保守的と思う人もいるかもしれない)。というのも、そうした数字は2017年に私募で資金調達したときの評価額123億ドルよりも20億ドルほど下回っているからだ。ソーシャルメディア業界において、アイデアのシェアやリンクといった分野ではPinterestはFacebookと競争を展開し、eコマース分野ではAmazonやeBayなどたくさんの競争相手がいる。
PinterestのIPO主幹事はGoldman Sachs、JP Morgan、そしてAllen & Coだ。サンフランシスコ拠点のPinterestはニューヨーク証券取引所で銘柄コード「PINS」で取引されることになる。
オリジナルのS-1では、2018年12月31日までの1年間の売上高は7億5590万ドルで、2017年の4億7280万ドルから増えたことが明らかになった。2016年初め以来、月間アクティブユーザー数はおおよそ倍になり、昨年後半は2億6500万だった。一方、損失は昨年は6290万ドルで、2017年の1億3000万ドルから縮小した。
Pinterestは2016年以来、累計で15億2500万ドルの売上高となっている。また、Pinterestはこれまでに15億ドルの資金を調達し、2017年の評価額は123億ドルだった。投資家リストにはBessemer Venture Partners、Andreessen Horowitz、FirstMark Capital、Fidelity、そしてSV Angelが名を連ねる。
2018年9月には、デスクトップとアプリでの月間アクティブユーザー数が2億5000万で、これは前年より25%アップし、半分以上が米国外のユーザーによるものだと明らかにした。Pinterestは2018年に広告収入として7億ドルほどを生み出し、これは新しいフォーマットやオプションの提供を開始した2017年から50%アップとなった。
もともとPinterestはGoldman SachsとJP Morganを指名した後に株式公開の書類を内々に提出した。年間売上高が10億ドル以下であれば内緒で申請することができる。だから、そうしたスタートアップは注目を集めることなく、IPO準備のやり取りができる。
Pinterestの株式公開の動きはテック企業のIPOラッシュの最中にあったが、そうした新規株式公開のすべてがバラ色というわけではない。Pinterestより前に華々しくデビューしたLyftの株価は公開後に大きく下がり、このところ少しずつ公開時の価格に戻してきている。
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(翻訳:Mizoguchi)