Facebookが所有するInstagramは、かつてSnapchatに対して行ったことと同様のやり方で、Pinterestを攻撃しようとしている。Android用Instagramに埋め込まれたコードを見ると、Instagramが複数のユーザーが投稿できる公開「コレクション」を作成するオプションをプロトタイプしていることがわかる。2年前にInstagramは、フィード上に現れるお気に入りの投稿を保存する手段として、プライベートコレクション機能の提供を開始した。だが、ユーザーがコレクションを公開できるようにすることで、InstagramはPinterestの直接的な競合相手になるだろう。
Instagramの公開コレクションは、コンテンツキュレーションの新たな媒体を生み出す可能性があるのだ。人びとは、この機能を使って、自分たちの好きなミーム、旅行先、ファッションアイテム、そしてアートなどをまとめることができる。これまではスクリーンショットを使い他人の投稿を再投稿する、F*ckJerryのようなミーム「クリエイター」たちが世の反感を招いていたが、代替手段が提供されることによって、勝手なコンテンツの盗用を減らすことができるだろう。自分自身のコンテンツで自身を表現する代わりに、自分の愛するものを示すことで(たとえそれが自分が撮影したものでなくても)自分のアイデンティティを表現することが可能になる。もしこの話をどこかで聞いたなと感じるならば、これが目前に迫ったPinterestの120億ドルIPOにとって、問題になりかねない理由が理解できるだろう。
“Make Collection Public”(コレクションを公開する)オプションは、TechCrunchに頻繁に情報を提供してくれるリバースエンジニアリングの専門家Jane Manchun Wongによって発見された。このコードは一般公開されていないが、Android用Instagramのコードから、彼女はプロトタイプのスクリーンショットを生成することができた。この画面からは、コレクションの公開属性を切り替える機能と、コレクションに追加することができる他のユーザー名を指定する機能があることがわかる。これまで、コレクションは、ずっとプライベートなものであり、2016年の末に公開されたInstagramの保存機能を通して、ブックマークを整理するための独立機能だった。
InstagramはTechCrunchに対して「私たちはこの機能のテストはしていない」と回答した。もちろんこういう言い回しは、一般利用者には公開されていないが、内部で開発が進んでいる製品に関する、メディアに対しての標準的回答だ。Instagramがその機能の実験を公に始めたり公開をしたりするまでにはまだ時間がかかるかもしれない。もちろんオプションをお蔵入りさせてしまう可能性もある。しかしこの機能は、ユーザーたちがInstagram上でできることや共有を増やすための賢明な手段である。このプロトタイプはアプリの戦略への洞察を与えてくれる。Facebookは、Pinterestスタイルをとった独自の共有可能セットを2017年に公開し、12月には共有可能コレクションを公開した。
現在Instagramのコードには、ユーザーが互いのコレクションをフォローできる機能は入っていないが、それは次のステップとしては論理的で強力な一手だ。Instagramユーザーたちは、今でもハッシュタグをたどって、新しい投稿を自分のフィードに引き込むことができる。コレクションをフォローするための手段を提供することで、他人のコンテンツを剽窃することなく、ユーザーたちを(スタークリエイターというよりは)スターキュレーターにすることができる。なおWongはInstagramのIGTVピクチャインピクチャのプロトタイプも発見している。これを使うことで、アプリを閉じた後でも携帯電話を操作しながら、長時間のビデオを見続けることができる。
最近Mark Zuckerbergがロードマップ上で大きな部分を占めると発言したInstagramの商業活動戦略を、パブリックコレクションは促進する可能性がある。既にInstagramは、ExploreにパーソナライズされたShoppingフィードを提供している。そしてThe VergeのCasey Newtonは昨年、Instagramが専用のショッピングアプリに取り組んでいることを報告している。デザイナーや雑誌、そしてブランドたちが、お気に入りの購入可能商品コレクションを共有してくることは容易に想像できる。
InstagramがSnapchat Storiesのそっくり機能を、Snapが公開されるわずか6か月前に公開したことを思い出す価値はあるだろう。予測されていたが、このことがSnapchatの成長率を88%押し下げた。それから2年が過ぎて、Snapchatはまったく成長しておらず、その株価はピーク時のわずか3分の1に過ぎない。月間10億人以上、1日当たり5億人のユーザーを抱えるInstagramは、Pinterestの4倍の規模である。おそらくInstagram支持者たちは、Pinterest上でゼロからソーシャルグラフを構築するよりも、既にそこにある「実用上十分な」パブリックコレクションを使うほうが簡単だと考えるかもしれないのだ。
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(翻訳:sako)