この数年、Unity Technologiesはゲーム開発だけでなくエンタテインメント・ビジネス全般にとって欠かせない存在になっている。Unityはその上でユーザー体験を開発すればさまざまなOSで広く分散実行可能なエンジンを提供している。仮想現実と拡張現実の実用化に伴い、Unityがそうしたソフトウェア開発の将来を握るカギとなる可能性が高まってきた。
こうした未来を実現するには当然ながらキャッシュが必要だ。
今日(米国時間7/13)、Unity TechnologiesはシリーズCラウンドによる1億8100万ドルの資金調達を発表した。このラウンドはDFJ Growthがリードし、投資家にはChina Investment Corporation、FreeS Fund、Thrive Capital、Max Levchinらが加わっている。また既存投資家のSequoia Capital、WestSummit Capitalも参加した。
今回の大型ラウンドはUnityのこれまでのラウンド(わず2550万ドル)をかすませてしまっただけでなく、同社がいかにアグレッシブに拡張を図っているかを示すものとなった。New York Timesは2つのソースの情報として、この資金調達におけるUnityの会社評価額は15億ドルだとしている。2014年の後半、MicrosoftはUnityの買収を検討したと報じられたことがある。このときのUnityの言い値は10億ドルから20億ドル程度だったようだ。もちろんこの買収は実現しなかった。
Unityは創立後12年の会社だが、特にここ数年、Unityゲーム・エンジンがデベロッパーの間で事実上の標準となるにつれて、猛烈な成長をみせていた。今日、Unityは統計をアップデートし、550万以上のデベロッパーがUnityプラットフォームに登録ずみだと明らかにした。最近、Unityの直接のライバルであるEpic Gamesは同社のUnreal Engineの登録ユーザーが200万であると発表している。
Unityの急速な成長を可能にした大な要因はプラットフォームの多様化にあるとみられる。ゲーム・エンジンの世界では、以前のUnityには「負け犬」の印象がついてまわったが、2008年にモバイル対応を戦略の中心に据えた。UnityはApp Storeがスタートした当初からiPhoneのゲーム・アプリのプラットフォームを提供していた数少ないパイオニアだった。
その後も同社はトレンドのトップを走り続けるために多大の努力を払った。 VR〔仮想現実〕とAR〔拡張現実〕に力を入れてきたのもその例だ。同社の推計によれば、VRを代表するもっともポピュラーなヘッドセットのひとつであるGear VR向けアプリの90%にはUnityのエンジンが用いられている。ARを利用したユーザー体験をベースにするアプリ、たとえば最近のスマッシュ・ヒットとなっているPokémon GoもUnity Technologiesのゲーム・エンジンを用いている。
DFJ Growthのパートナー、Barry Schulerはプレスリリースに付随する声明で次のように述べた。
Unityのプラットフォームはゲーム産業に革命を起こした。インディーのデベロッパーもトリプルAクラスのゲームソフト企業もこのプラットフォームを利用することで美しく説得力ある世界を創造することができるようになると同時に、広告とアナリティクスの機能を利用して効果的な収益化が可能となった。今回〔の資金調達で〕、UnityはAR/VRテクノロジーを進化をさらに加速させる。「一度書けば多数の環境に提供くできる(write once/ publish many)」 という特長を持つユニークなUnityエンジンを利用することでゲーム・スタジオは新しいOSにも即座に対応が可能だ。どの環境が最終的に勝利するか見極めるために待つ必要はない
DFJ GrowthはベンチャーキャピタルのDraper Fisher Jurvetsonにおいて後期スタートアップに投資するための組織だ。このグループはこれまでにBox、Foursquare、Tumblrなどに投資している。今回の資金調達でSchulerはUnityの取締役に就任する。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)