Proxyclickの来訪者管理システムが新型コロナ時の従業員入退管理に拡張

Proxyclick(プロクシクリック)は、簡単に来訪者を管理できるiPadを使った入退システムの企業として産声を上げた。だが、新型コロナウイルスのパンデミックが居座るようになると顧客の需要が変化し、それに合わせてPloxyclickも変わってきた。米国時間11月25日、同社は新型コロナ時代に従業員の入退を管理できるようデザインされた新システム、Ploxyclick Flowを発表した。

「新型コロナに襲われたとき、従業員も新規の訪問者と同じだと顧客からいわれました。要するに、これまで来訪者に必ず尋ねていた厳密な質問や、いつ来るのかといった確認を自社の従業員に対しても行わなければならなくなったというのです。そこで私たちは、プラットフォームを拡大してこれに対応しました」と、Proxyclickの共同創設者でCEOのGregory Blondeau(グレゴリー・ブロンドー)氏は説明する。

つまり、一定した出入りのある来訪者の管理ではなく(もちろんそれにも対応できるが)、パンデミックの間、地元の規制に従って短期間だけオフィスを開設したい顧客にターゲットを絞ったということだ。こうした目的にプラットフォームを適合させるために、同社はスマートフォンアプリProovtr(プルーバー)を開発した。これを使えば従業員は、オフィスに入る前に入館手続きができ、健康チェック項目に答えて、他に誰がオフィスに来るかを確認し、建物が密にならないように配慮できる。

従業員がオフィスに到着すると、体温チェックを受ける。次にProovrアプリで発行されたQRコードをProxyclickのシステムなど備え付けの入退システムに見せて建物に入る。モバイルアプリの他にも、同社は近隣のいくつもの建物管理システムやセキュリティーシステムと連携できるシステムを開発しているため、顧客はすでに導入済みの設備と合わせて、このアプリが使えるようになる。

さらに、顧客ごとに独自な入退の決まりに対応できるよう、ワークフローエンジンを強化した。新型コロナ対策ワークフローは、そんな数あるワークフローの中の1つだが、買ってきたままの、1つの決まった形で使いたい人ばかりではないことを理解しているブロンドー氏は、柔軟性のあるシステムを考えた。

「そのため苦労したのは、すべてのシステムを統合しつつ、その後に従業員のスマートフォンでワークフローをグループ化して、各団体が独自のワークフローを定義してスマートフォンに展開できるようにするという技術的な問題でした」とブロンドー氏は話す。

建物に入ると、システムはその人物の来館を登録し、新型コロナウイルスに曝露した場合に接触追跡が行えるよう、その情報がシステム内に2週間保存される。建物を出たときは自分でチェックアウトをしなければならないが、もし忘れても、深夜に自動的にチェックアウトされる。

同社は2010年に設立され、現在185万ドル(約1億9300万円)を調達している。もっとも新しいものは、1月のシリーズB投資15万ドル(約1570万円)だ(未訳記事)。

関連記事:個人の違法解雇につながる?雇用主は従業員に新型コロナテストを実施できるのか

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Proxyclick新型コロナウイルスCOVID-19

画像クレジット:Proxyclick

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。