プログラミング言語Pythonを作ったGuido van Rossum氏が今日(米国時間11/12)、引退生活をやめてMicrosoft(マイクロソフト)のDeveloper Divisionに入ったことを発表した。
Van Rossum氏は、最後はDropboxの社員だったが、同社に6年半在席したのち、昨年10月に引退した。しかし明らかに、その引退を長く続けるつもりはなかったようだ。彼によると、Microsoftでは、Windowsの上だけでなく一般的に、Pythonの使用を確実に改善していくという。
Microsoftのスポークスパーソンによると、とくに共有すべき詳細情報はないけれども、van Rossum氏が本当にMicrosoftに入社したことは確実だそうだ。スポークスパーソンは曰く、「彼がDeveloper Divisionの一員になったことはすばらしい。MicrosoftはPythonのコミュニティに寄与貢献し、共に成長することにコミットしており、Guidoの入社は、そのコミットの反映である」。
オランダ出身の彼は、のちにPythonになるものの開発を1989年に始めた。90年代半ばには彼はアメリカで、アメリカ国立標準技術研究所に勤めながらその言語の開発を積極的に続け、その後はさまざまな企業を転々とした。たとえばBeOpenではPythonLabsのディレクターになり、ZopeやElemental Securityにも在籍した。Dropboxに行く前は2005年から2012年までGoogleにいた。そこで彼は社内で使うコードレビューツールMondrianを開発し、App Engineの開発にも関わった。
[Guido van Rossum: 引退は退屈だと分かったからMicrosoftのDeveloper Divisionに入った。何をするのかって?候補が多すぎて一言では言えないね! でもPythonの使用を確実に改善していくだろう(Windowsの上だけではなくて)。ここにはオープンソースが大量にある。今後にご期待を。]
今のPythonは、もっとも人気のあるプログラミング言語のひとつであり、たとえばAIの研究者のためのデファクトスタンダードだ。
ほんの数年前なら、van Rossum氏がMicrosoftに入るなんて考えられなかっただろう。同社のオープンソースへのアプローチは、それぐらい不評だった。でも今やそれがすっかり変わって、今日のMicrosoftは他社と共にもっとも積極的なオープンソースへの企業コントリビューターだ。それに、今やGitHubのオーナーでもある。Rossum氏がMicrosoftで何をするのか、いまいちよく分からないが、彼は「選択肢が多すぎる」と言っているし、「ここには大量のオープンソースがある」のだそうだ。