2021年は暗号資産にとって大きな年だった。米国時間4月8日、Robinhoodは統計をちょっとばかり共有して、少なくとも現在のところ暗号資産(仮想通貨)のブームが単なる空騒ぎではないことの証拠を提供している。
Robinfoodの暗号資産運用部門のトップであるChristine Brown(クリスティン・ブラウン)氏がブログで明かしたところによると、2021年の第1四半期には950万人の顧客が同社のプラットフォームで暗号資産の取引を行った。それは2020年第4四半期の170万人と比べて大きな増加だ。同社が暗号資産部門であるRobinhood Cryptoを立ち上げたのは2018年1月だが、これまでは四半期データを公表していない。
2021年2月にRobinhoodは、同年の最初の2カ月で新しい顧客が600万人増えたことを公表した。2020年にはピークの月が40万1000人、1カ月平均では約20万名の顧客数だった。
ブラウン氏によると、Robinhood Cryptoを立ち上げた同社のそもそもの意図は、同社の基本的仲介業務であるRobinhood Financialで提供されている一連の資産種類に加えて、暗号資産の売買ができる機会を顧客に与えることだった。
Robinhood Cryptoは現在、Bitcoin、Bitcoin Cash、Bitcoin SV、Dogecoin、Ethereum、Ethereum Classic、Litecoinという7種類の売買可能なコインを提供している。
またブラウン氏によると、Robinhoodの暗号資産チームは人員が年初以降3倍に増えているという。ただし具体的な人数は明かされていない。同社の求人サイトには暗号資産関連の募集が多く、その中には「暗号資産担当CFO(Crypto CFO)」まである。
同社は、暗号資産が同社の事業全体の重要な部分であり、大衆へのアクセスを民主化するというミッションの一部であることを明確にしている。
「暗号資産の支出と売買と保存に必要なものは、理論的にはインターネット接続だけです。巨額な信用限度額やスタートアップの資本金はいりません。売買をするのに、1日の特定の時間に起きている必要もありません。暗号資産のマーケットには終了がありません。暗号資産は現在、さまざまな機関が握っている通貨に関する力を、人々の取り戻すというミッションから生まれました」とブラウン氏のブログでは述べられている。
2020年夏、Robinhoodは同社のその年3度目の資金調達として、112億ドル(約1兆2240億円)というさらに高い評価額で2億ドル(約220億円)ほど調達し、2021年3月の上場へと向かった。同社はそれまで、騒乱の1年あまりを過ごし、議会に呼ばれたり、ユーザーの自殺で評判を下げ、SECとの和解もあった。
関連記事
・Robinhoodが株式公開に向け秘密裏に上場申請
・Robinhoodが連邦議会に召喚される
・株取引アプリRobinhoodがSECに約67.2億円支払い、過去に「劣悪な価格」で顧客の注文を実行したとの告発で
一方、TechCrunchは今週、2021年4月第2週の初めに、2021年第1四半期には米国の消費者向け暗号資産取引の大手Coinbaseが急伸し同四半期に大きな利益を上げたことを報じた。2021第1四半期における同社の売上は18億ドル(約1970億円)で2020第4四半期の5億8510万ドル(約640億円)から大きく増加した。純益は2020第4四半期の1億7880万ドル(約200億円)に対し「およそ7億3000万ドル(約800億円)から8億ドル(約870億円)」とされた。
カテゴリー:フィンテック
タグ:Robinhood、暗号資産
画像クレジット:Robinhood
[原文へ]
(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hiroshi Iwatani)