ServiceNowは米国時間1月28日、顧客の複数言語によるチャットボット構築を支援するスタートアップ、Passage AIの買収を発表した。これは、ServiceNowによるデジタルサービスプラットフォームの刷新の継続に役立つはずだ。なお、両社は買収条件を明らかにしていない。
ServiceNowのチャットボットソリューションは、顧客やユーザーからの問い合わせに自動的に対応する手段を提供する。今回のPassage AI買収により、ServiceNowはAI(人工知能)関連の人材とAI技術も手に入れた。
ServiceNowにとってさらに興味深いのは、Passage AIが「チケットを送信したり、クエリを処理したり、APIを通じて直接アクションをおこなったりするための会話型インターフェース」 のための、IT自動化コンポーネントを所有していることだ。また、人事管理の自動化機能も追加され「ServiceNow Virtual Agent」や「Service Portal」、複数言語の 「Workspaces」 などのツールに「Now Platform」 を横断して組み込める、インテリジェントなツールが提供される。
多言語のサポートは魅力的な契約の1つだったと、ServiceNowのAIエンジニアリング担当シニアディレクターであるDebu Chatterjee(デブ・チャタジー)氏は考えている。チャタジー氏は声明で、「ディープラーニング、会話型AI機能をNow Platformに組み込むことで、ドイツ語による仕事の依頼や、日本語による顧客の質問をバーチャルエージェントが解決できるようになる」と述べた。
現在、チャットボットによる顧客の一般的な問題の解決を模索している企業が増えている。そしてボットが質問に答えられない場合にのみ、人間が介入することになる。Passage AIはこの成長分野でServiceNowに貢献する。
Crunchbaseのデータによると、2016年にローンチされたPassage AIは、これまでに1030万ドル(約11億円)を調達している。同社のウェブサイトにはMasterCard(マスターカード)、Shell(シェル)、Mercedes Benz(メルセデス・ベンツ)、ソフトバンクなどの大手顧客が掲載されている。また今回の買収は、AIに特化した別のスタートアップであるLoom Systemsを買収してから、1週間も経たないうちに行われた。同社は業務データの自動化に注力している。
今回の買収手続きは今四半期中(1月〜3月)に完了する見込みだ。また、ServiceNowは1月29日の水曜日午後に決算を発表する。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)