SaaSでデータウェアハウスを価格破壊, Treasure Dataが分散データベース”Plazma”をローンチ

[筆者: Michael Seo]

データウェアハウスをクラウドから提供するTreasure Dataがそのサービスをローンチしてからまだ半年しか経っていないが、すでに順調な成長カーブに乗っているようだ。

昨年黒字に転じたTreasure Dataは、今年は月商が前年比で500%伸びた。50社の有名企業をクライアントに抱え、その中にはソーシャルゲームのトップ企業や、フランスのモバイル広告プラットホーム、そのほかのFortune 500企業がいる。これらは意外ではないが、同社はその社名を明かさなかった。

Treasure Dataは、企業がデータを保存するための大きな“倉庫”(warehouse, ウェアハウス)をクラウド上に提供する。IBMやOracle、Teradataなどの大企業もデータサービスを提供しているが、それらは料金がウン百万ドルのオーダーに達することもある。利用できる企業は、おのずから限られてくる。

一方Treasure Dataの料金は月額1500〜2500ドルで、年単位の契約だ。データウェアハウスを自力で構築できない中企業でも、十分利用可能な低料金である。

そのTreasure Dataが今日(米国時間3/29)、分散データベースPlazmaをローンチし、HDFS(Hadoop Distributed Files System, Hadoop分散ファイルシステム)の重要な改良バージョンを提供する。とくにそれまでのHDFSに比べて効率が良く、データの編纂や解析が相当速くできる。

“これはうちのサービスのロバストネス(堅牢性)と信頼性とパフォーマンスを上げるための投資でもある”、と同社のプロダクト担当VP Kiyoto Tamuraは語る。“Hadoopには信頼性に関していくつか問題があり、うちならもっとうまくやれると確信していた”。

Plazmaがあることによって、Treasure Dataのシステムは日量3000億以上のデータポイントを処理できるようになった。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。