Salesforceは今期も絶好調、新目標は年間売上200億ドル――トップ人事も発表

クリスマスを控えてSalesforce絶好調の四半期決算を発表した。売上は25%アップして26.8億ドルだった。同社は年間売上100億ドルという目標をすでに大幅に超える勢いで、今回は2022年度までに年間売上200億ドルを目指すと発表した。これは見逃せない大胆な目標だ。

またSalesforceではトップ人事にも大きな動きがあった。これについても後述する。

SalesforceはそもそもアンチIBMとして登場した。その敵、ビッグブルーは22四半期連続で売上がダウンしている。逆にSalesforceはこの数年着実に売上を伸ばしてきた。3年前にさかのぼると、2015年第3四半期は13.8億ドルだったから今期の26.8億ドルは倍近い伸びだ。

年間売上100億ドルに駆け上がるスピードは過去のあらゆるソフトウェア企業より早く、会長兼CEOのマーク・ベニオフが電話記者会見で何度も自慢してもその権利があったというべきだろう。

「年商100億ドルに最短で達したエンタープライズ向けソフトウェア企業として、われわれは次の目標をオーガニックな成長の結果として2022会計年度までに年商200億ドルを達成するというところに置きたい。そうなればこれは200億ドルを最速で達成するソフトウェア企業でもある」とベニオフは宣言した。

こうした大胆な成長を実現する方法の一つは国際展開だろう。CNBCの記事によれば、事実、Strategic Wealth PartnersのアナリストMark Tepperは「今回の四半期決算ではこの点について詳細に観察する」つもりだと述べていた。

Teppeは四半期レポートの内容に満足したに違いない。Salesforceの副会長、COO、プレジデントのKeith Blockは今年の新規採用の40%はアメリカ国外で実施されたものだと明かした。国外の成長がアメリカにおける成長を上回ったところからみて、こうした国際的拡張への投資は十分実を結んだようだ。

写真:: Salesforce

ベニオフはまたブレット・テイラーをプレジデント兼最高プロダクト責任者(CPO)に昇進させたことを発表した。テイラーはクラウドベースのワープロ、Quipのファウンダーで、昨年、7億5000万ドルで同社が買収されたときにSalesforceに加わった。「ブレット(Bret Taylor)はわれわれのプロダクトについてビジョン、デザイン、開発、マーケティング戦略の全般にわたって指揮をとることになる」とベニオフは説明した。いっぽう、これまでCPOだったAlex Dayonはプレジデント兼最高戦略責任者(Chief Strategy Officer)に昇進した。「Alexはわが社の戦略を指揮し、プロダクトの方向性や発展に関してこれまでより直接に顧客と接することになる」ということだ。

どちらの人事もトップの世代の若返りを狙ったもので、Salesforceが成功に安住して活力を失う危険性を防ぐだろう。もっともテイラーらの任命でプレジデントの人数はだいぶ増えた。前述のKeith Block、 CFOのMark Hawkins、最高人事責任者(Chief People Officer)のCindy Robbinsはいずれもプレジデントの役職を持っている。Saleseforceではプレジデントが他社のバイスプレジデントを意味するようだ。

Constellation Researchのファウンダー、プリンシパル・アナリストのRay WangはSalesforceの人事について、「同社には最高xx責任者が多数いるが、その中で重要な職はプレジデントの肩書を同時に保有しているかどうかだろう。いずれにせよ昇進の人選は順当、件数も最小限〔であり、同種の他社に比べてトップヘビーということはない〕」と説明している。

WangによればテイラーはQuippの買収後の社内での奮闘ぶりが認められたとし、Dayonは「新し役割」を担うと見ている。「Alex 〔Dayon〕はこれまで何年もプロダクトとサービスの洗練に専念してきたが、今後は全社的戦略を考えることになるだろう」という。

ただし、この四半期発表を受けて株価は今朝やや下げた。107.49ドル〔現在は106.83ドル〕は最近記録した高値〔109ドル〕にわずかに届かなかった。ウォールストリートが好調な決算になぜ(少なくとも今のところ)もっとポジティブに反応しなかったかは不明だが、Salesforceの長期的な将来は明るいと思われる。

画像: Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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