Salesforce創業者やロバート・ダウニー・Jr氏が出資する竹のトイレットペーパー企業がペーパータオルを発売

昨年、竹でつくられたトイレットペーパー(と有名人による投資)で話題になったスタートアップCloud Paper(クラウドペーパー)が、今度はペーパータオルの販売に乗り出す。同社は俳優のRobert Downey, Jr(ロバート・ダウニー・Jr.)氏やGwyneth Paltrow(グウィネス・パルトロウ)氏、Salesforce創業者のMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏、Uber(ウーバー)のCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏、NBAダラス・マーベリックスのオーナーMark Cuban(マーク・キューバン)氏などのセレブや億万長者が支援していることで知られる。

同社は米国時間3月16日から、持続可能な方法で調達された竹製ペーパータオルの12ロールパックの予約販売を開始した

シアトルを拠点とするこの会社は、元Uber(ウーバー)の社員であるRyan Fritsch(ライアン・フリッチ)氏とAustin Watkins(オースティン・ワトキンス)氏の2人によって設立された。両氏は物流スタートアップのConvoyに勤めたあと、Cloud Paperを立ち上げた。同社のトイレットペーパー(そして現在はペーパータオル)ビジネスは、消費者に竹ベースの生活用品への切り替えを促しているいくつかの企業の一つだ。

Cozy EarthEttitudeは竹素材のシーツや寝具を販売し、The Bamboo Clothing Co.ThoughtTascFree Fly Apparelなどは竹繊維の服を作っている。Biteはプラスチックを使わない歯磨き粉やフロスに合わせて、竹製の歯ブラシを提供している。

だが(筆者の言葉でいうと)、このような超富裕層や著名な投資家から札束とともに流してもらえるのは、Cloud Paperだけかもしれない。それでも、Grove、TushyReel、そしてふさわしい名前の「Who gives a crap, Inc(屁のかっぱだ、という慣用句とcrap〔うんち〕をかけている)」といった企業が、104億ドル(約1兆1300億円)規模のトイレットペーパー市場の一角を占めようとしている

共同設立者のフリッチ氏によると、Cloud Paperのミッションは1ロールずつ、製紙業界をより持続可能にしていくことだという。

他の企業が綿やプラスチックの代替品として竹に注目しているのに対し、Cloud Paperについて同氏は、トイレットペーパーとペーパータオルに焦点を当てていると語る。

同社はすでに100万ロールのトイレットペーパーの生産を発注し、数十万ロールのトイレットペーパーを出荷しているが、消費者が同社の製品に乗り換える根拠はシフトしてきたという。

「コロナ禍でシャットダウンが起こったとき、確かに後押しされた瞬間はありました」とフリッチ氏はいう。「しかし、(消費は)トイレットペーパー不足のパニックから、『簡単で便利な、持続可能な選択肢がある』という方向にシフトしました。以前ほどの熱狂的な買いあさりはありません」とも。

米環境NGOのNational Resources Defense Council(天然資源保護協議会、NRDC)も、便器のために犠牲になる廃棄物の量に強く反対の立場を表明している

NRDCによると、カナダの伐採産業は米国のトイレットペーパー需要を満たすために、気候変動の影響を受けやすい森林を100万エーカー(約4000平方キロ)以上も劣化させているという。米国のトイレットペーパー需要が大幅に増加したため、近年、カナダの原生林消失率は、ロシア、ブラジルに次いで世界第3位となっており、そのほとんどが伐採によるものだとNRDCは述べている。

そのうちの90%は、気候変動を悪化させる皆伐だ。NRDCは2020年の報告書で、最も保守的に見積もった場合でも、「北方林での伐採は、森林の炭素を多く含む土壌からの排出を促進し、森林の炭素吸収能力を損なうことで、2600万トンの炭素を放出します」と書いている。「トイレットペーパーは寿命が短いため、残った炭素をすぐに大気中に放出してしまうので、トイレットペーパーの影響はさらに深刻です。そのため、Environmental Paper Networkによると、木を原料につくられたトイレットペーパーは、リサイクル素材を使ってつくられたトイレットペーパーの3倍の気候変動への影響があるとのことです」。

だから森林からつくられたペーパーを拭い去ることは、気候変動対策のために真の恩恵をもたらすのだ。

「1位のトイレットペーパーと2位のペーパータオルが(紙の)使用の大部分を占めており、それ以降の市場規模は非常に小さくなります。当社はペーパー分野で継続していくつもりです」とフリッチ氏はいう。

Cloud Paperは今後、レストランやホテル、さらにはスタジアムやアリーナなどの企業と協力して、ビジネス向けペーパー製品への転換を進めていく予定だ。

「我々はもともとB2B企業として会社を立ち上げました。WeWorkやレストランと提携し、市場、つまり私たちのペーパー製品がどこで使われているかを見てきました」とフリッチ氏は語る。「そして、これからのもうひとつの大きな焦点は、より大きな収容能力を持つ商業施設のお客様のために製品を作ることです」。

画像クレジット:Cloud Paper

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カテゴリー:EnviroTech
タグ:環境問題

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Aya Nakazato)

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