WeWorkが、SEOとコンテンツマーケティングの会社であるConductorの買収を発表してから2年も経っていない。しかしその2年は、控えめに言っても波乱の日々だった。
手短に言えば、親会社のWe Companyが株式公開に失敗した結果、CEOのAdam Neumann(アダム・ニューマン)氏が追放され、IPOが無期限に延期され、We Companyは、Meetup、Managed by Q、さらにConductorといった子会社の売却を検討していると伝えられた。
というわけで実のところ、Conductorが別の会社ではなく、CEO兼共同創立者のSeth Besmertnik(セス・ベスメルトニク)氏、COOのSelina Eizik(セリーナ・エイジク)氏、そしてThe Finger Groupの管理パートナーであり、Seamlessの創立者でもある投資家のJason Finger(ジェイソン・フィンガー)氏に売却されようとしていることには、まったく驚きはない。
「WeWorkとともに過ごした時間に感謝しています。その間、研究開発に積極的に投資することができました。世界クラスの人材を採用することでチームの規模を倍増させ、顧客が毎日のように成功を収められるようになりました」と、ベスメルトニク氏は声明で述べている。「人々はもはや広告を見せられたり、売り込まれたりしたくありません。当社のソリューションにより、ブランドは有用で価値のあるマーケティングを簡単に提供できるようになりました。消費者が実際に求めているのはマーケティングなのです」。
同社によれば、Conductorの従業員には創立者優先株と呼ぶ新しいカテゴリの株式が与えられ、取締役会の代表者の任命権を持つ「250人の従業員共同創立者」になるという。これにより、Conductorが今後向かう方向について、より大きな利害を共有し、より大きな発言権が与えられるはずだ。
実際にベスメルトニク氏は、今回の買い戻し前には彼自身を含むConductorのチームは会社の10%未満しか所有していなかったのに対し、新しい体制では従業員は「最初に会社を売却したときの4倍以上」を所有することになると強調した。そして、ベスメルトニク氏とエイジク氏の持ち分を合計すれば、会社の過半数の株式を保有することになる。
「私たちの所有権モデルは、私達のミッションとビジョンに適用することで、本当により献身的で情熱的な人々のグループを生み出すのです」と彼は述べている。
Conductorは当初、マーケティング担当者が検索用にウェブサイトを最適化することを支援することに重点を置いていた。その後、検索されたコンテンツを作成するためのツールの分野に手を拡げた。買収されてからは、WeWorkの子会社として運営されており、現在、Visa、Casper、Slackなどを含めて、400以上の企業と仕事をしている。
金銭面の条件は明らかにされていないものの、Conductorによれば、今回の買い戻しの後は、The We Companyからは完全に独立するという。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)