広く支持されるようになったSlackの特徴のひとつは、エンタープライズのツールと統合できることだ。しかし顧客がSlackを仕事の中心となるハブとして使うようになるにつれて問題が起きてきた。ユーザーは、どのアプリにアクセスできるのか、どう使えばいいのかをなかなか理解できないのだ。米国時間10月22日、Slackは開発者会議のSpecでこうした問題を減らす方法をいくつか発表した。
Slackプラットフォーム担当ディレクターのAndy Pflaum(アンディ・プラウム)氏によれば、Slackにすぐ統合できるアプリは1800本あり、カスタムのアプリはこれまでに50万本作られたという。これほどの数のアプリをユーザーはとても管理できない。そこでSlackは、アプリのためのウェブページを設けた。App Launcherと呼ばれるページで、インストール済みアプリがここに集められる。MacのLaunchpadと似たページだ。
Slackのサイドバーで「Apps」をクリックすると、App Launcherが表示される。App Launcherにはアプリが表示されてわかりやすい。プラウム氏によれば、アプリを選択するとそのアプリのホーム画面に移動し、アプリを使い始められる状態になるか、またはアプリに関する情報が表示される。
例えばGoogleカレンダーを選択すれば、日ごとのスケジュールのほか、会議のリクエストも表示され承諾か拒否かを選択できる。このページからミーティングソフトウェアを直接起動することもできる。こうしたことがすべてSlack内で実行されるのでほかに目を移す必要がない。プラウム氏は、アプリのホームのベータ版は今後数カ月以内に公開すると述べた。
アプリに関する負担を軽減する方法としてもうひとつ、Actions from Anywhere(どこからでもアクション)という新しいコンセプトも紹介された。Slackは昨年Actionsを公開した。これはユーザーがメッセージからアクションを起こせる機能だ。例えば、プロジェクト管理ソフトのJiraのプルリクエストにSlackのメッセージを添付できる。プラウム氏によれば、ユーザーはこのアクションの機能を気に入っていて、Slack内のどこからでもアクションを起こせるようにしてほしいとの要望があるという。
「Specで、新しいアクションである『Actions from Anywhere』をプレビューする。ユーザーはSlack内のどこからでもアクションを起こすことができる」と同氏は語った。この機能を活用するために、クイックアクセスメニューから最近使った5つのアクションを選べるようになっている。メニューには最近のアクティビティから自動でアクションが表示され、1日中Slackで仕事をする人にとっては相当な時間の節約になるかもしれない。
さらに同社は、開発者がSlack内で外部ウインドウを開けるようにする。これはモーダルウインドウと呼ばれていて、ユーザーがフォームの入力、アンケートへの参加、経費の入力など、Slack自体のフローの外に対して何らかの情報を提供するときに開くことができる。
こうしたアップデートをはじめとするSpecでの発表内容は、Slackが成熟するプロセスの一部だ。Slackは急成長してきた中で生じた問題点を解決しようとしている。ソフトウェアが複雑で何ができるのかを理解できなくなったら、利点や機能を明らかにする方法を提供するのはベンダーの仕事だ。Slackはこうした新しいツールで、それをしようとしている。
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(翻訳:Kaori Koyama)