昨日、Slackの共同創業者でCEOのスチュワート・バタフィールド氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルが主催したWSJ Tech Liveイインタビューを受けた。このとき「Microsoft(マイクロソフト)はSlackを存在を脅かすライバルとみているのだろう」と強い言葉で批判した。
バタフィールド氏はWSJのジェイソン・ディーン氏にマイクロソフトが6月に公開したグラフについて質問された。このグラフはSlackがいわゆる「静粛期間」(上場を控えて情報提供を控える期間)中に同種のビジネスチャットであるMicrosoft Teamのユーザー数の伸びをSlackと比較したものだ。
それによればMicrosoft TeamsのDAU(1日あたりアクティブユーザー)は130万人で120万人のSlackを追い越していた。バタフィールド氏はこのグラフに不快な驚きを感じたらしい。
バタフィールド氏はWSJのジェイソン・ディーン氏にこう述べた。「『我々が静粛期間にあるというのにこんなグラフを公開するとはマイクロソフトはどうかしていた』というのが重要なポイントだ。(こんなことをするのは)誰かがバルマー以来だと言っていたが、私に言わせればビル・ゲイツ時代の末期以来だ。彼らはSlackを存在に対する脅威とみているのだろう」。
時価総額が1兆ドルを超えるマイクロソフトと4億ドルに過ぎないSlackの規模の差を考ると、「存在に対する脅威」というのはディーン氏も指摘したとおりなかなか大胆な発言だ。またMicrosoft TeamsにはOffice 365の膨大なユーザーが簡単にアクセスできるという利点がある。しかしバタフィールド氏は「後発の小さい会社であってもアイデアが優れていれば最後には勝利する」と」述べた。
まずバタフィールド氏によればSlackを実際に使っているユーザーの3分の2はOffice 365のユーザーでもあると指摘した。「Slackユーザーのトップを占める50企業は70%は単にOffice 365う使っているだけでなく、SlackとOffice 365をインテグレーションして利用している」という。
これに続けて「小が大を制した例はある」として1980年代には無名のスタートアップだったマイクロソフト自身がIBMという巨人に勝ったことを挙げた。その後マイクロソフトがOSとブラウザの大半をコントロールしていたのも関わらずGoogleという検索エンジンのスタートアップが現れて業界地図を塗り替えた。ソーシャルメディアは失敗するというそれまでの常識にも関わらずFacebookも巨人の仲間入を果たしている。「本当にカスタマーニーズに答えることができるテクノロジーを持ったスタートアップなら巨大な既存プレイヤーに勝つくとができるというのがその教訓だ」とバタフィールド氏は言う。
バタフィールド氏はマイクロソフトが主力プロダクトに他のサービスをバンドリングする戦術について尋ねられ、反感を隠さなかった。同氏は「自分は法律の専門家ではない」としながらも、ジョーク交じりに「バンドリングはまったくもってスポーツマン精神に反する」と述べた。事実、マイクロソフトは1990年代に反トラス違反の疑いで司法省と長い法廷闘争を繰り広げた過去がある。【略】
画像:Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)