Snapchatは2018年第3四半期も縮小を続けた。しかし事業そのものは堅調に改善しつつある。Snapchatのデイリーアクティブユーザー数はまたもや落ち込み1%減の1860万人で、第2四半期の1880万人、成長率マイナス1.5%からさらに落ち込んだ。それでもユーザー数は前年同期比で5%のアップだ。売上高は2億9800万ドルで、EPS(1株あたり利益)の損失は0.12ドルだった。この数字は市場予想の売上高2億8300万ドル、EPS損失0.14ドルを上回った。ただし、市場の予測ではユーザー減は50万人だった。
Snapの株価は6.99ドルで始まり、これまでで最も低い6.46ドルで引けた。これはIPO時の24ドルよりずいぶん低い。Snapは今期、営業損失3億2500万ドルを計上した。しかし、第2四半期は3億5300万ドルだったので、経費削減が奏功した。この決算が発表された直後、Snapの株価は8.3%高い7.57ドルまで上昇した。
ただ、その後株価は時間外取引でマイナス9.3%の6.31ドルまで下がった。同社の株は控えめな事業成長を評価するインベスターにより大量に購入されたが、Snapがさらに不振に陥るかもしれないという懸念が投資家心理を冷やした。Snapが来期もユーザー離れに直面するだろうという予想がさらにインベスターをおののかせた。
懸念材料となるが、Snapchatのユーザー1人あたりの平均売上は今期、発展途上国で12.5%落ち込んだ。しかし米国と欧州マーケットの貢献により、世界のユーザー1人あたりの平均売上は14%伸びた。Snapは、ホリデーシーズンがある第4四半期の売上は、アナリストの予測と同じ、3億5500万ドルから3億8000万ドルを予想している。
CEOのEvan Spiegelは、周到に準備された声明で、「我々のコアユーザーである米国と欧州における13〜34歳には素晴らしくアプローチできた一方で、世界にはSnapchatを使っていない人が何十億人もいる」と認めた。彼は、ユーザーを200万人失ったのは、iOSと同じように作動していないAndroidのためだと説明した。特に目立つのが、米国とカナダにおける月間アクティブユーザーの減少だ。Snapは、おそらくデイリーユーザーの減少から気をそらすためだろうが、前四半期の月間ユーザーは1000万人超だったと語った。
Spiegelは声明で、今後の目標は今年損益なしにし、2019年に通年で収益化することだと述べている。しかしCFOのTim Stoneは「2019年を考えるとき、内部の外に向けた目標は、増収の加速、そして通年でのフリーキャッシュフローと収益性だ。内部のストレッチゴールは予想ではないことを心に留めておかなければならない。それはガイダンスでもない」と語った。
電話会見の間、SpiegelはAndroidにおけるオーバーホールのスケジュールについての質問について「質には時間が伴う。正しいと思えるものになるまで待つつもりだ」と答えている。しかしアナリストは、Snapがいかに2019年に挽回するかについての質問を浴びせた。Spiegelは1日あたりの利用が35億回から30億回へと減ったことを認めたが、インベスターを安心させようとユーザーの60%超が毎日利用していると語った。
Spiegelは、米国と欧州で13〜34歳のグループ以外にユーザーを拡大すること、Androidアプリを通して発展途上国でより多くのユーザーを獲得することが推進力の維持につながると語っている。しかし問題なのは、年配のユーザーをくどくのは、親や先生、上司が同じアプリにいることを快く思わない若いユーザーにとってほろ苦いものとなるということだ。
現金および有価証券が14億円に減ったSnapは、世界でより多くのユーザーの獲得を始め、収益化を改善する必要がある。
困難なバトル
第3四半期では、Snapchatは同社初の拡張現実Snappableゲームをローンチし、その一方でサードパーティによるゲーミングプラットフォームleakも計画している。Tic-Tac-Toeゲームは8000万ものユニークユーザーがあり、ゲームはSnapが前進するのにとるべき正しい道なのかもしれない。
デベロッパーやクリエイターがつくったAR体験への注意をひくためのLens Explorerを、そしてスポンサー金を集めるためにソーシャルメディアスターをブランドにつなげるStorytellerプログラムを立ち上げた。また、VenmoのようなSnapcash機能を廃止した。しかし最も大きなニュースは、300万ものユーザーを失ったという第2四半期決算からのものだった。これにより一時的に株価は上昇したが、競争とユーザーの減少という要素が株価の最安値につながった。
Snapchatにとって、ユーザーの成長とつなぎとめを加速することになるかもしれない、パフォーマンスをスピードアップするAndroidアプリのオーバーホールを行うプロジェクトMushroomは頼みの綱だ。Snapは何年にもわたって発展途上国のAndroidマーケットを無視し、iPhoneを使う米国のティーンエイジャーにフォーカスした。Snapchatがクイックなビデオにかかるものであることを考えるとき、遅いローディングはまったく使い物にならない。特にネットワーク接続が遅いマーケットや古いスマホだとそうなる。
競合相手をみると、Snapchat Storiesを真似たWhatsAppのStatusはデイリーユーザーが4億5000万人に成長し、InstagramのStoriesは4億人に届いたーそれらの多くは発展途上国におけるもので、ゆえにInsta Storiesのローンチ時に私が予想したようにSnapの海外での成長をブロックしている。Snap Mapはユビキタスにならず、Snapのオリジナルショーはまだたくさんの新規ユーザーを惹きつけるほどにプレミアムにはなっていない。Discoverはクリックのための餌が多く仕込まれて惨憺たる状況で、すぐに消えるメッセージの最も良いところをInstagramがすでにコピーしている。もしWhatsAppが消えるチャットをコピーしたら、Snapはかなり厳しい立場におかれる。
この調子でいくと、Snapは2020年か2021年に黒字化する前に資金を使い果たしてしまう。これはすなわち、Snapが外部からの投資を得るために新規株式を発行する必要に迫られるか、生き残るために買収されるかということを意味する。
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(翻訳:Mizoguchi)