元フェイスブック幹部であり、現在はハイファイナンス界のお騒がせ者Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、太陽エネルギーの融資会社、Sunlight Financialの13億ドル(約1348億円)のSPACとPIPE(限られた投資家を対象に行う私募形式の株式の売出)一石二鳥取引で再びニュースになっている。
Sunlight Financialは、基本的には太陽光発電やバッテリーの設置、その他の住宅改善プロジェクトに資金を提供するために、太陽光発電の設置業者が住宅所有者にローンを提供する方法を与える融資会社だ。
これは世界的な金融システムの壊滅的なメルトダウンの始まりで、狂騒の20年代の再来を示しているかもしれないが、少なくともSunlight取引の狂気には一理ある。
太陽光発電、エネルギー貯蔵、エネルギー効率のアップグレードへのより良いアクセスを提供するために融資を行っているビジネスの背後には、大きな追い風があるからだ。
Coatue、Franklin Templeton、BlackRockとともに同氏が主導したこの投資で、Sunlight社の評価額は13億ドル(約1348億円)となる。CrunchbaseによるとSunlight Financialがこれまでに調達した資金は7億500万ドル(約731億円)となっており、それを考えると健全な数字だが、桁外れというわけではない。
Alex Wilhelmの記事が先がけて指摘したように、同社のかなり堅実な財務パフォーマンスを考えると、Sunlight Financialはパンデミックの中でも、遅かれ早かれ公開市場に参入した可能性が高い。
数字を見ると、同社は1、2年で株式を公開できたであろうことはいささか明らかで、もう1年成長すれば、普通に上場するのに十分な収益があったと思われる。このSPAC主導の取引により、より早く上場し、スケールしながらより多くの現金を手にすることができる。おそらくそれがSunlight社にとってのこのSPACの価値だろう。
またSunlightは、機関投資家からの需要が高く同様の企業が不足しているときに、再生可能エネルギー企業として公開されているというメリットも得る。
2020年の間に、気候変動の影響を緩和したり、地球の急速な温暖化を遅らせたりするのに役立つビジネスを支援する方法を見つけるために、大金が動いた。
CPP Investmentsのマネージング・ディレクターでサステイナブル投資の責任者であるRichard Manley(リチャード・マンリー)氏は昨年のインタビューでこう語っている。「気候変動リスクを軽減するための業界のコミットメントは、意思決定者の間で変革を推進する機運が高まっていることを投資家に示すものです」。「株式市場では、中核事業子会社や企業のVC部門への投資によるエキサイティングな移行ソリューションは、パブリック・エクイティ投資家が求めてきた、真に焦点を絞った投資機会を提供していないとの評価が高まっています」とも。
パリハピティヤ氏の最新のSPACの立ち上げで、その傾向は2021年にも続きそうだ。Spring Lane Capitalのゼネラルパートナーで長年気候技術に投資してきたRob Day(ロブ・デイ)氏は、昨年末にダイレクトメッセージで以下のように書いていた:
デイ氏によると、「現在の(SPACの)波は、機関投資家の世界がこの24ヶ月間に、気候ソリューションが2020年代以降の主要な成長分野になると確信するようになったにもかかわらず、投資先として利用可能なオプションが見当たらなかったからです」とのこと。
「公開されている『グリーン』企業はすでに買収されており、プライベート・エクイティの選択肢も同様に迫力にかけていました(VCの場合は小規模で、大規模プロジェクトの場合は低リターン)。そこにEVなどへの熱意を持った個人投資家のロビンフッド市場を投入すれば、このようなことが起こるためのちょうどいいレシピができあがるわけです」。
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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:再生可能エネルギー
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(翻訳:Nakazato)