今後の宇宙関連プロジェクトでもっとも重要なのはSpaceXとボーイングがそれぞれ進めている有人宇宙飛行カプセルの開発であることは間違いない。 しかし、今日(米国時間2/6)のNASAのブログによれば、すでに遅れているスケジュールがさらに遅れることが明らかとなった。
ボーイングのStarlinerとSpaceXのCrew Dragonは ISS(国際宇宙ステーション)にクルーを往復させるために用いられるカプセルだ。有人飛行であるため、現在の物資輸送用カプセルとは比べものにならないくらい厳密なテストが繰り返されてきた。
しかし、これは簡単な開発ではなく、両社とも長い道のりを歩んできた。当初2017年の運用開始が予定されていたが、スケジュールは大幅に遅延している。実際に人間を乗せて飛ぶのがいつになるかはまったく分からない。
今月はCrew Dragonにとって大きなマイルストーンとなるはずで、無人でISSに向かってテスト飛行が実施される計画だった。ボーイングも近く軌道飛行のテストを実行することを計画していた。しかしこれらのテストは双方とも延期されたという。NASAはこう述べている。
NASAではSpaceXのCrew DragonのDemo-1無人フライトテストを3月2日に予定している。 Boeingの無人の軌道フライトテストは4月以降となる。
ハードウェアの開発、テスト、データの確認、NASAや関係機関による結果の評価、乗員、地上要員の訓練などのスケジュールによって日程は調整される。
簡単にいえば、両社ともまだまったく準備が整っていないこということだ。かなり完成に近づいてはいる。しかし有人飛行の場合、「かなり」では十分ではない。
もしこれ以上の深刻な遅れが出ないなら、2019年の開発スケジュールはおおむね以下のようなものになる。
- SpaceX Demo-1(無人):2019年3月2日
- Boeing 軌道フライトテスト(無人):2019年4月以後
- Boeing フライト中止テスト:2019年5月以後
- SpaceX フライト中止テスト:2019年6月以後
- SpaceX Demo-2フライトテスト(有人):2019年7月以後
- Boeing フライトテスト(有人):2019年8月以後
この夏はSpaceX、ボーイングともに有人宇宙飛行を行う予定なので、アメリカの宇宙飛行にとってきわめて重要な時期になる。現在のところ、ISSにクルーを往復させる手段はソユーズしかない。ソユーズは何度も人員輸送を成功させてきたが、すでに登場から40年もたつ古いシスムであり、言うまでもなく、ロシア製だ。21世紀にふさわしいアメリカ製のシステムがかつてなく強く求められている。
画像:NASA
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