今日(米国時間1/27)NASAは、商用クループログラムに必要な、SpaceXの最終認定試験結果の一部を紹介するビデオを公開した。アリゾナ州クーリッジで行われた落下テストには、SpaceXのCrew Dragon着陸システムの一部となる巨大なパラシュート4基が使用された。
この落下テストでは、パラシュートはC-130貨物輸送機によって上空数千フィートまで運ばれた。SpaceXの宇宙船Crew Dragonの代わりに重りが使われ、パラシュートはCrew Dragonが国際宇宙ステーションから宇宙飛行士を連れ帰った時と同じように配置された。
ビデオでは、NASAの広報員が「こうしたテストによってエンジニアは飛行ハードウェアの信頼性を評価することができる」と語った。
今回の落下テストには、SpaceXの最終的な着陸システムに使用される、Crew Dragonの減速用パラシュートは含まれていない。減速用パラシュートは4基のメインパラシュートの前に開いて、降下するカプセルを減速、安定させるために用いられる。
以前のパラシュート落下テストは2013年12月に、Crew Dragonを作るために必要な、有人飛行用の修正が加えられる前に実施された。2013年の落下テストでは、Dragonカプセルとパラシュートシステムを、カリフォルニア州モロ・ベイ上空8000フィート(2400メートル)までヘリコプターで運び太平洋上に落下させた。当時のパラシュートシステムは、減速用パラシュート2基とメインパラシュート3基から成っていた。
それから2年以上がすぎ、SpaceXは初期のDragonの設計を変更し、有人飛行規格のCrew Dragonを製作した。これには減速パラシュートおよびメインパラシュート4基が塔載される。
当初、SpaceXはCrew Dragonとパラシュートシステムを使って、乗組員らを安全に海上に落下させる。アポロ時代に用いられた戦略と同じだ。
しかし最終的には、SpaceXは推進方式によって宇宙飛行士らを地球に帰還させる計画だ。
昨年11月、SpaceXはCrew DragonおよびSuperDracoエンジンの飛行テストを完了した。同社は、推進力による軟着陸戦略は、いつか火星のような海のない惑星に人間を着陸させるためには重要な能力であると指摘した。SpaceXの舵を切るElon Muskは、最終ゴールは火星に到達することだとよく言っている人物であることから、この着陸戦略も驚きではない。
今日のブログ記事でNASAは、「今後のテストは、実際の飛行におけるシステムの条件やプロセスをできる限り再現した、より現実的なものになっていくだろう」と語った。
SpaceXとBoeing、およびその他の商用クループログラム契約社は、それぞれの有人宇宙船を完成させ、国際宇宙ステーションへの旅をロシアに依存する米国を救うべく作業に取り組んでいる。
今後のテストで異常がなければ、NASAは米国企業による国際宇宙ステーションへの信頼ある飛行が2017年末までに可能になると期待している。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)