先ほどSpaceXはCRS-14ミッションを開始し、Falcon 9によるDragon補給船の打ち上げに成功した。これは国際宇宙ステーションに対する14回目の物資補給で、再利用されたDragonはISSに物資を補給した後、故障したロボット、Robonaut 2を持ち帰る予定だ。
今回のDragon補給船が宇宙に出るのはこれが2回目だ。最初の飛行は2年前のCRS-8ミッションだった。 Falcon 9ロケットも再利用だが、今回の飛行が最後となる。つまりブースターの回収は行われない。
補給物資には食品など生活必需品の他に 興味深い科学実験設備が含まれている。ASIM( Atmosphere-Space Interactions Monitor)は大気と宇宙の相互作用を観測して雷発生のメカニズムの解明に役立てようというものだ。スプライト、エルブ、ブルージェットなどと呼ばれる上層大気で強い光が放たれる現象が観測されている。これはすべて高圧放電だという。
また宇宙における加工テクノロジーに期待が集まるなか、新型のHP 3Dプリンターも宇宙ステーションに運び込まれる。マイクログラビティ(微小重力)状態を利用した積層プリンティングの実験が行われる予定だ。
生理学の分野でも各種の薬剤の代謝にマイクログラビティがどのように影響するかモニターする実験が行われる。また植物の生育に関する影響も調査される。
Dragon補給船はISSに1ヶ月ほど結合され、慎重に物資の搬入、搬出が行われる。故障したRobonaut 2は数年前からISSで運用実験が行われてきたが、最近このロボットにいくつかの不調が発見された。日曜日のNASAの記者会見によると科学者は回路のショートなどの電気的不具合を疑っているという。
しかしISSに修理のためのツールも時間もないため、Robonaut 2は地上に帰ってメンテナンスを受けることになった。ロボットは1年程度後に再び宇宙に向かう。その間、宇宙ステーションには多少余分の空間が生まれる。
画像:NASA
トップのビデオでは14:30からミッションの説明があり、19:50で打ち上げとなる。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)