SpaceX、Falcon 9のフェアリング回収にネット装備艀を準備

SpaceXが目標とするのは、なんといっても打ち上げコストの削減だ。現在同社が取り組んでいるのはフェアリングの回収だ。フェアリングはロケットの先端に取り付けられ、なんであれ搭載されたペイロードを保護する部品だ(Falcon Heavyのテスト飛行の場合はTesla Roadsterとスターマンが搭載されていた)。これまで打ち上げのたびにフェアリングは使い捨てとなっていた。

フェアリングの製造コストは600万ドルだという。多数の打ち上げでフェアリングを回収し、複数回使えることになればコスト削減の総額は大きい。SpaceXでは昨年フェアリングの回収に成功しているが、今回はさらに信頼性が高く、再利用にも適した新しい方式を開発した。

それがMr. Stevenと名付けられた自動航行艀だ。Teslaratiの Pauline Acalinが撮影した写真によれば、Mr. Stevenには巨大なアームが装備され、その間にネットが張り渡してある。Mr. Stevenは次回Falocon 9が打ち上げられる予定となっているカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地の近くの港に停泊している。Falcon 9のPAZミッションではスペインのレーダー地上観測衛星の他に、SpaceX独自の通信衛星も搭載される。これはSpaceXが計画しているインターネットのブロードバンド接続を提供するサービスのための実験だという。

Falcon 9のこの打ち上げは日は若干延期され、2月21日(日本時間2/22)に予定されている。フェアリングはGPSによる位置制御が可能なパラシュートによって太平洋上に降下し、それをMr. Stevenが待ち構えてキャッチする計画だ。

フェアリングは2つの部分からなるが、SpaceXがその片方でも無事に回収し、再利用できるなら打ち上げコストをさらに引き下げることができるだろう。完全使い捨ての場合の場合、Falcon 9は打ち上げコストは6300万ドル程度と推定されている。そこでブースターの回収はもちろんだが、600万ドルのフェアリングであっても回収に成功すれば利益に対する寄与は大きい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+