SpaceXのプロトタイプStarship飛行実験は今回も成功、しかし着陸でまた爆発

画像クレジット:SpaceX

SpaceXは南フロリダで建造中の宇宙ロケットであるStarshipの打ち上げテストを再び実施した。今回テストされたのはプロトタイプの9機目となるSN9だ。発射後、SN9は高度3万3000フィート(約10km)まで上昇した。高度に達した後、SN9は再突入角度に姿勢を変え(低高度で大気圏内だったため姿勢変更は本番とは異なるモードのシミュレーション)、逆噴射による制御された着陸のために降下を開始した。

これは、2020年12月にSN8で行われたテストに続く2回目のテストだった。今回のテストでSN9は目標高度に到達し、姿勢を逆転させる「ベリーフロップ」にも成功。酸化剤の投棄、推進剤の切り替えにも成功した。しかし残念ながら、着陸はスムーズにいかなかった。着陸のための垂直姿勢を取ろうとしたが失敗し、十分に減速できないまま降下してタッチダウンの際に爆発してしまった。

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SpaceX社の2020年に行われた最初のテストも非常に似た経過だった。最後の着陸部分を除いてはすべてほぼ順調に進んだ。同様に着陸に失敗したとはいえ、SN8のテストのほうが今回より姿勢制御が良好だったように見える。しかし飛行のデータやパラメータは多岐にわたるため、動画を見た印象であまり多くを語ることはできない。

Starshipは再利用を前提としているため、着陸操作に成功することが必須となっている。完全な再利用性を実現するためには、ロケット噴射によるパワードランディングが必要であり、当然だが、この際に爆発してはならない。しかし同社が指摘しているとおり、テストにおける他の部分は順調だったように見える。

この種の初期段階のテストは、計画どおりに進むとは期待されていない。重要なのは、実験を繰り返して開発の改善に役立つデータを収集することだ。もちろん開発チームは最初のテストから予定どおりに動作することを望んでいるが、実際にはそのようにうまくいくことは滅多にない。むしろ珍しいのは、このような初期段階の実験でSpaceXが動画中継を含めて多数のデータを公開している点だ。

SpaceXはすぐに3回目のテストに挑む予定だ。同社はすでにSN10プロトタイプをテキサス州の打ち上げ基地に運び込み、発射台への設置も終えている。上の動画でテストされたSN9の横に見えているもう1つのロケットがSN10だ。

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カテゴリー:宇宙
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(文:Darrell Etherington、翻訳:滑川海彦@Facebook

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