衛星打ち上げで順調に成功を重ねているSpaceXだが、新しいFalcon Heavyロケットのテストフライトに向けての準備も進んでいる。Falcon Heavyは地球低軌道に大重量のペイロードを運び上げることを目的としたヘビーデューティー・ロケットだ。1段目には従来のFalcon 9のブースターを3基束ねたものが用いられている。テスト発射は向こう数週間以内にフロリダ州ケープカナベラルの施設から行われる。
Falcon Heavyは昨年暮にケープカナベラルに到着していたが、いよいよ発射台に垂直に設置された姿を表した。発射を控えて詳細なチェックが行われているところだという。SpaceXは新ロケットのをドローンで撮影した驚くべきビデオと発射台上の巨大ロケットの姿をクリアにとらえた新しい映像を公開した。
Falcon Heavyの発射時推力は226トン以上。これはボーイング747旅客18機の最大推力に匹敵する。現在運用されるものとしては2位を2倍以上回って世界最大のロケットとなる。
Falcon Heavyのトップには大きなカーゴポッドが装着されFHのロゴがはっきり読み取れる。われわれがよく知っているとおり、ペイロードはイーロン・マスクの愛車、チェイリーレッドのTesla Roadsterだ。 実験が成功すればFalcon Heavyはイーロン・マスクの野心的ビジョン、火星植民を実現するために用いられることになる。
しかし今回はなんといってもFalcon Heavyの最初の打ち上げの試みであり、すべてが計画どおりに進まない可能性は十分にある。マスク自身、超特大の火の玉が中継される可能性を認めている。いかにシミュレーションを繰り返そうと、実際の打ち上げはコンピューターが予言するのとは何かしら違ったコースをたどるものだ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)