SpaceXはFalcon Heavyの商業打ち上げを始めたばかりだが、すでに次に目を向けている。Starshipの打ち上げだ。そしていま、SpaceXの商業セールス担当副社長であるJonathan Hofeller(ジョナサン・ホフェラー)氏により、同社が完全に再利用できるこの次世代ロケットの商業サービスを2021年までに開始することを目指していることが明らかになった。
ホフェラー氏はインドネシアでの会議で語り(SpaceNews経由)、同社は新宇宙船に搭載する初のミッションの選定について通信企業3社と現在協議していると明らかにした。「BFR」または「Big Falcon Rocket」としてかつて知られていたStarshipは現在、テキサスとフロリダの2カ所にあるSpaceX施設で開発中だ。これは、どちらのチームがよりいいソリューションを早く現実のものとできるか、内部で競わせていることになる。この手のエンジニアリングの対決はテック企業では一般的ではなく、「勝者がすべてを取る」シナリオというより往々にして最終プロダクトをより洗練したものにするために両方のいいとこ取りをする。
そうした作業が完了すればStarshipは、現在のFalcon Heavyロケットよりも揚力がある「Super Heavy」ブースターにより軌道に投入される。静止トランスファ軌道には2万kg、低地球周回軌道には100トン超を届けることができる。またStarshipは火星への有人飛行を行うという同社の最終目標を達成するために使用される宇宙船でもある。
これまでに言及のあったStarshipに関する目標としては、2020年までに軌道打ち上げを達成するというものがあった。しかし今回の新たな情報に基づくと、そうした軌道打ち上げは、有料で利用する客向けというよりテストやデモンストレーションとなる。SpaceXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は以前、同社初の有償顧客である前澤友作氏に提供する月旅行の時期は、最短で2023年を見据えていると語っていた。
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(翻訳:Mizoguchi)