アジア最大のアクセラレーターグループを自称するSparkLabs Groupが、オーストラリアのニューサウスウェールズ州第一次産業省とパートナーして、アグテック(農業×テクノロジー)のスタートアップを育てる新しい事業、SparkLabs Cultiv8を立ち上げる。その本部はニューサウスウェールズ州オレンジに置かれ、2018年の第二四半期にアクセラレーターとしての事業を開始する。
一回の育成期間は8か月で、8から12のスタートアップを受け入れる。彼らはSparkLabsと一次産業省が作った学習施設Global Ag-Tech Ecosystem(Gate)で学び、オレンジにある同省の研究所や農場…シドニーから車で3時間ぐらい…を利用して、プロトタイピングを行う。また一社につき10万オーストラリアドル(約8万USドル)の資金を授与される。
“それは都市のコワーキングスペースではない。アグテックやサステナビリティのスタートアップにとって重要な最上級の施設や便宜へのアクセスを与える”、とCultiv8のパートナーJonathon Quigleyは語る
Cultiv8のローンチによりSparkLabsは、韓国、台湾、中国、香港、オーストラリアなどでアクセラレーター事業を展開する。オーストラリアの農業はすでにアジアだけでも数十億ドルの農産物を輸出しているからとくに重要だ。2050年には輸出量が倍増すると予想されているから、アグテックスタートアップのスケールアップに関しても実践的な勉強ができる。
農業と食品関連のテクノロジーは最近投資家たちも注目するようになり、投資総額は2015年に記録的な額に達した。しかしQuigleyによると、それはまだ初期的な投資の段階にすぎない。彼によるとIoTのコストがもっと下がれば、さらに多くのスタートアップが、農家の資源管理や廃棄物〜無駄の減少、反収のアップなどのための監視分析ハードウェアやソフトウェアを手掛けるようになるだろう。
Quigleyによると、Cultiv8は農業技術に大きな影響を与えうるIPを持っているスタートアップをとくに歓迎したい。彼らが正しい経営をしていけば、急速にスケールするだろう。
“アグテックの現状は、2009年ごろのAIに似ている”、とQuigleyは語る。“SiriはAppleに買われてから爆発的に伸びた。アグテックの分野にも、起業や投資の機会を求めている優秀な才能の持ち主がたくさんいる。われわれは、実際に会社を興して農業をディスラプトしたいと考えている未来のファウンダーたちを育てていきたい”。