スニーカーのマーケットプレイスを運営しているStockXが、Mark WahlbergやScooter Braun、Waleといった著名投資家が参加したラウンドで600万ドルを調達したと発表した。なお、以前のラウンドには、EminemやSV Angel、Detroit Venture Partnersらが参加していた。
スニーカーの中古市場はこれまでにないほど盛り上がっている。この分野を牽引しているGOATは、モバイル限定のマーケットプレイスを運営しており、ここ半年で3000万ドルを調達したほか、150万人のユーザー数を誇っている。オンラインと店舗の両方でスニーカーを委託販売しているStadium Goodsも、最近460万ドルの資金を調達したばかりだ。
しかし、StockXの仕組みには競合他社とは少し違った点がある。彼らは自分たちのことを「モノの株式市場」と呼んでおり、本物の株式市場のように「売値/買値」のメカニズムを利用して、売り主と買い主を結びつけているのだ。
例えば、買い主がある靴に650ドルの買値をつけたとして、売り主はその靴を680ドルで売ろうとしている場合、最終的に両社の希望価格がマッチした段階で、実際の取引が行われるようになっている。
このモデルの主な利点は取引の透明性だ。買い主は自分の希望価格にあとどのくらいの金額を足せば、売値を満たすことができるのかハッキリとわかり、売り主も自分が売ろうとしている靴を、どのくらいの価格であれば買いたいと考えている人がいるのかリアルタイムで把握できる。
さらに売値/買値モデルによって、他のユーザーと競り合いたくない人は、そのときの売値もしくは買値で即座にスニーカーを売買することもできる。
またStockXは、このリアルタイムの価格情報を利用して、バーチャル「ポートフォリオ」を作るサービスも提供している。ユーザーが自分の持っている靴をリストアップすると、それぞれの市場価格がリアルタイムで反映されるので、ユーザーはコレクションの合計価格(≒時価総額)をトラックすることができる。
品質管理に関しては、競合他社と同じようにStockXも鑑定プロセスを設けている。そのため、売り主はまず商品をStockXに送り、そこでスニーカーが本物だと認定された後に、買い主のもとへ商品が送られるようになっている。
StockXは今回調達した資金を使って、スニーカービジネスを拡大する以外にも、別のコレクター品を扱っていこうとしている、と共同ファウンダー兼CEOのJosh Luberは説明し、具体的に時計とハンドバッグをその候補に挙げていた。中古市場の規模が大きく、鑑定プロセスが必要になりそうなものであれば、StockXはどんな商品でも扱っていくのかもしれない。
新たな商品群以外にも、StockXはアメリカ国外に住む人が同社のプラットフォーム上で商品を販売できるように準備を進めていくと話している。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)