子供はごっこ遊びが大好きだ。今日Disrutpハッカソンで紹介されたStoryKidというアプリは、これに注目して子供に視覚的ヒントとして一連の絵を見せ、それに基づいてお話を作らせようという新しい試みだ。StoryKidのターゲットは2~5歳の、おしゃべりはできるが書くにはまだ早い子供たちだ。開発したのはコロンビア大学の比較文学博士ふたりで、その目標は子供たちが物語や文学の世界に進むのを助けることだ。そして共同ファウンダーのTianjiao Yuが私に言ったように、これは親たちが自作のお伽ぎ話を作るアイデアがなくなった時にも使える。
Yu(写真左)はこのアプリを作るためにコーディングを学び、もう一人の共同ファウンダー、Lu Xiong(右)は、デザインとユーザー体験を必死で勉強してビジュアル要素を担当した。これを作った動機は、ふたりが学んだことを高等教育の象牙の塔から外へ持ち出すためだった。
「ふたり共、文学が専門でこの知識を誰にでも利用できるようにしたかった。アプリを作ることはそのための理想的な方法だとわかった」とYuは言う。StoryKidは、ふたりにとって文学を人々が利用しやすくするために必要なアイディア3つのうちの1つだ。残る2つは、新しいもの作るのではなく、既存の文学を発見することに関わる。現在開発を手伝ってくれる3人目のプログラマーを探している。
実際のところ、ハッカソンの週末で作られたこのStoryKidも、本来の目標からすると初期段階にすぎない。今日のデモで使った絵は、ビジュアル検索エンジンのNiiceから取ってきたものだが、約1月半後にアプリが正式公開される時には別の情報ソースも用意する予定だ。
またこのアイディアは、ファウンダーたちの文学的知識の多くを物語に取り込むことにもなる。「物語の要素を分析することに関する理論はたくさんある。われわれはそれを使って、人々と場所の関係や、2人の登場人物のつながりを考える手助けをしたかった」とYuは語る。
彼らは音声、ビデオ等の録画機能の追加や、画像を保存して電子書籍のように後でもう一度お話をするのに使うことも計画している。さらにはEvernote等のアプリともリンクして、「子供たちが何を考えているかを親が知るために」ウェブで見たり読んだりしたものを記録することも考えられる。
アプリは小さな子供が自分でお話を作ることを目標としているが、字の書ける年長の子供たちがお話を考えて書き残すためにも使うことができるだろう。
これは楽しいアプリを装った学業のようにも感じるが、「主なアイディアは楽むこと、そして文学を面白くすること」だとYuは強調する。私自身、自分の子供にこの種のアプリを与えて何を考えているのか知るのが楽しみだ。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)